2024-10-01から1ヶ月間の記事一覧

三秋 縋『恋する寄生虫』(メディアワークス文庫)

美術評論家の高階秀爾さんが亡くなられた。僕にとって高階さんといえば『名画を見る眼』(岩波新書)である。学生の頃、「絵とはそういう風に鑑賞するものなのか!」と衝撃を受けた。続編の『続名画を見る眼』とともに、今でも手元に置いてある。 高階秀爾『…

安野貴博『松岡まどか、起業します』(早川書房)

「侍タイムスリッパー」めちゃくちゃよかったです~~。最初はベタなインディーズ映画かと思ったけれど、どんどん引き込まれていきました。これもまた「探偵ナイトスクープ」が引き起こした奇跡の続き・・・。 さて、本書の作者は安野貴博氏。先日の東京都知…

三秋 縋『さくらのまち』(実業之日本社)

映画「侍タイムスリッパー」。8月にたった1館で公開されたこの自主製作映画がじわじわと動員数を上げ、ついに先週、週末観客動員数トップ10にランクイン(7位)! 快挙です! ---読み終えて数日が経過したのに、まだ余韻から抜け出せないでいる。三秋 …

伊与原新『宙わたる教室』(文藝春秋)

たまたまテレビで見たドラマ。窪田正孝、やせたなぁ、ヴィーガンかぁ・・・などとそっちの方が気になったのだが、原作を書店で見つけて購入。 そういえば、伊与原さん、大先生はまだ取り上げてなかったっけ。 舞台は東京都立東新宿高校定時制。いろいろあっ…

降田 天『少女マクベス』(双葉社)/シェイクスピア『マクベス』(安西徹雄訳・光文社古典新訳文庫)

執筆担当の鮎川颯とプロット担当の萩野瑛からなる作家ユニット・降田天。その最新作が話題だということで読んでみた。『少女マクベス』。 百花演劇学校の定期公演『百獣のマクベス』の幕間で、脚本・演出を担当した生徒が転落死した。翌年の春、ちょっと変わ…

志村真幸『在野と独学の近代』(中公新書)

南方熊楠研究者である著者が、熊楠を縦糸に、そして横糸にさまざまな在野の研究者たちを掛け合わせて織り成す、「学びと研究」の歴史である。 最初に登場するのが、ダーウィン、そしてマルクスが続く。イギリスで数多くの「在野の研究者」が活躍した背景には…

辻村深月『傲慢と善良』(朝日文庫)

以前紹介したコミック・魚豊『チ。-地球の運動について-』。中世ヨーロッパを舞台に、禁じられた地動説を命がけで研究する者たちを描いたこの作品が、NHKでアニメ化されることに。昨日が第1回ということで、実はまだ見ていないんだけど、でもこれ、N…

石破茂(倉重篤郎編)『保守政治家』(講談社)

第102代内閣総理大臣となった石破茂氏の著書が8月に緊急出版されたのを、遅ればせながら購入。 石破茂という名前を初めて耳にしたのは、1988年の「ユートピア政治研究会」のときである。のちに新党さきがけを結成し、政界再編を引き起こしたメンバーの中に彼…