2019-02-01から1ヶ月間の記事一覧

スティーブン・レビツキー、ダニエル・ジブラット『民主主義の死に方 二極化する政治が拓く独裁への道』(新潮社)

フォローしているtwitterのタイムラインでは国会のようすが逐一報告されている。一昔前なら「こんなことがあったら内閣ぶっ飛ぶでしょ!?」というようなことが、笑うくらいに次々とレポートされるのだが、それがしれっとスルーされて、テレビのニュースでは…

米澤穂信『本と鍵の季節』(集英社)

ざらり,とした後味の残る連作短編集。米澤穂信『本と鍵の季節』。 高校生の「僕」と,その友人の松倉詩門(しもん)。2人は学校の図書委員である。ある日,先輩がやってきて,2人に頼み事をするのだが・・・。 高校生活を舞台にした,全6編のミステリで…

辻村深月『凍りのくじら』(講談社文庫)

『ぼくにとっての「SF」は、サイエンス・フィクションではなくて、「少し不思議な物語」のSF(すこし・ふしぎ)なのです』(藤子・F・不二雄) 高校生の理帆子と、失踪した写真家の父、ガンで闘病する母、両親の親友で世界的ピアニスト・松永、ストーカ…

塩野七生『十字軍物語』第3巻・第4巻(新潮文庫)

塩野七生『十字軍物語』。後半部分に当たる第3巻と第4巻も文庫化された。 獅子心王リチャードとサラディンの両雄が激突した第三次十字軍(塩野氏の筆も走る,走る。)。ヴェネツィア共和国の思うがままとなった第四次十字軍(『海の都の物語』でもおなじみ…

安田浩一『「右翼」の戦後史』(講談社現代新書)

生徒に「ウヨクって何ですか?」と質問された。「右翼」とか「右派」というのは、フランス革命のときに議場左翼に陣取った急進派に対して、保守派が議場右翼に陣取ったことが言葉の由来で、個人主義を批判して伝統とか民族とか国家とか家族の一体感を強調し…

橋本治『これで古典がよくわかる』(ちくま文庫)

橋本治氏が亡くなった。 10代の終わり頃,橋本治氏の本ばかり読んでいた時期があった。しかも繰り返し繰り返し。なぜそこまで読み込んだのか,今となっては自分でもよく分からないのだが,何かこう,自分の気持ちを半歩先で代弁してくれているような感覚が…

工藤勇一『学校の「当たり前」をやめた。― 生徒も教師も変わる! 公立名門中学校長の改革 ―』(時事通信社)

ちょっと職員室とか同業者の間で話題になっている本の紹介をば。 東京の公立中学校が、クラス担任制を廃止し、定期考査を廃止し、運動会も変え、放課後の部活動を改革し、外部の人材を引き込みながら、次々と変化を遂げていった話である。 この本を読んだ同…

知念実希人『ひとつむぎの手』(新潮社)

年に一度の大イベント・本屋大賞。先日発表されたノミネート作品は,以下の10作品です。なお,発表時までに読み終え,当ブログで紹介していた作品は太字にしました。 ・三浦しをん『愛なき世界』(中央公論新社)・平野啓一郎『ある男』(文藝春秋)・木皿…

いしいしんじ『ブレッドはパン探偵』(進々堂)

有名な話ではあるが、京都市民の朝ごはんは、パンである。(京都府のパン消費量は全国1位!) 長らく日本屈指の工業都市であった京都の朝は、老若男女、さくっと食べてとっとと働きに出る、ということなのだろう。 もうひとつ、1人あたりコーヒー消費量の第1…