2019-06-01から1ヶ月間の記事一覧

宗田 理『ぼくらの七日間戦争』(角川文庫)

『ぼくらの七日間戦争』がアニメ映画化されると聞いた。 青少年向け小説の古典でありながら,実はこれまで読んだことがなかった。こういうのって,自分が青少年の頃に読まなかったら一生読まないんだよな・・・と思いつつ,この際読んでみた。 ・・・おお,…

津原泰水『ヒッキーヒッキーシェイク』(ハヤカワ文庫JA)

津原やすみ、という作家さんはこれまで読んだことがなかったのだが、幻冬舎の見城社長とのtwitter上での泥仕合を観戦して、それなら読んでみようかな、と逆炎上商法に乗っかってみた。 たしかに幻冬舎からハードカバーで出したら1,800冊しか売れなかったのも…

窪 美澄『トリニティ』(新潮社)

2019年度上半期の直木賞候補作が,以下のとおり発表されました。 ・朝倉かすみ『平場の月』(光文社)・大島真寿美『渦 妹背山婦女庭訓 魂結び』(文藝春秋)・窪美澄『トリニティ』(新潮社)・澤田瞳子『落花』(中央公論新社)・原田マハ『美しき愚か…

佐藤弘樹『賢人の雑学』(知的シゲキBooks)

京都・北山にFM局が開局したのが25年前。大阪じゃなくて自分の見上げている空模様がラジオから流れてくるのが、うれしかった。 目覚まし時計代わりにタイマーでつけていたラジカセから、7時になると、 「おはようございます、さとうひろきです。今朝の京都…

土橋章宏『引っ越し大名三千里』(ハルキ文庫)

いよいよ直木賞候補作発表の季節がやってまいりました。当ブログで紹介した米澤穂信『本と鍵の季節』,木皿泉『カゲロボ』,柚木麻子『マジカルグランマ』はノミネート入りするのか?窪美澄,原田マハらの直木賞待望組はどうなるのか?そして,芸能界作家・…

星野博美『転がる香港に苔は生えない』(文春文庫)

先週末、香港で「逃亡犯条例」に反対する100万人規模のデモが起きた。 5年前の「雨傘運動」の経験を活かし、当局は早めに潰しにかかっている。 香港と聞いてまず思い浮かんだのは、星野博美のこの傑作ノンフィクションである。 香港返還前後の香港の街に暮ら…

柚木麻子『マジカルグランマ』(朝日新聞出版)

書評で興味を惹かれたので読んでみた。柚木麻子『マジカルグランマ』。 タイトルから分かるとおり,いつもニコニコしている優しいおばあちゃんが,いろいろ解決する物語・・・ ・・・ではない。 マジカルニグロ,という言葉がある。一昔前のハリウッド映画な…

アンドルー・ゴードン『日本の200年』(みすず書房)

ハーバード大学のアンドルー・ゴードン教授による、日本近現代史の教科書である。「徳川体制の危機」「近代革命」「帝国日本」「戦後日本と現代日本」の4部構成となっており、「徳川の平和」に始まり新版では東日本大震災以後までを描く。 近代化の過程で急…

プラトン『パイドン——魂について』(納富信留訳,光文社古典新訳文庫)

『テアイテトス』を刊行したばかりの光文社古典新訳文庫から,またプラトンの新訳が出た。『パイドン』である。副題は『魂について』。 ソクラテスの弟子の1人パイドンは,「ソクラテス最後の日」に立ち会う。そこでソクラテスと弟子たちとの間で取り交わさ…

成井豊・真柴あずき『俺たちは志士じゃない』(論創社)

5月31日、突然、演劇集団キャラメルボックスが活動を休止するというニュースが飛び込んできた。それも発表したその日のうちに。 「上川隆也がかつて在籍していた」という枕詞で語られるこの劇団だが、たしかに彼が看板役者であったことは事実だが、個人的に…