2022-01-01から1ヶ月間の記事一覧

プレヴォ『マノン・レスコー』(野崎歓訳・光文社古典新訳文庫)

せんせい,お大事に!--- 亀山郁夫がプレヴォ『マノン・レスコー』を推していた。ロシア文学者がフランス文学を推す・・・これは読まねば。 良家に生まれ,学業優秀であったデ・グリュ。街で偶然出会った少女マノン・レスコーに一目ぼれをしてしまい・・・。…

半藤一利・加藤陽子・保阪正康『太平洋戦争への道 1931-1941』(NHK出版)

直木賞作品をレビュー(しかも2冊とも)していたなんて珍事のせいか、体調を崩して入院することになりました・・・いや、虫垂炎です、でも医療崩壊前夜の病院では入院手術も綱渡りで、なんとか予定を組めました。 というわけで、右下腹部の痛みを薬で抑えな…

南原 詠『特許やぶりの女王』(宝島社)

第166回直木賞が発表されました。受賞されたのは,今村翔吾さん『塞王の楯』と,米澤穂信さん『黒牢城』!いずれもせんせいお薦めの作品です!・・・では最近恒例の記念撮影を。 今村翔吾『塞王の楯』・米澤穂信『黒牢城』 ・・・2冊とも「圧」がすごい…

野口悠紀雄『戦後日本経済史』(新潮選書)

今週は (中学入試+大学入学共通テスト)×コロナで、わけわからん1週間となりました。しんどすぎ・・・。 というわけで、そんな中で授業準備のために10年ぶりくらいに読み返したのが『戦後日本経済史』。中公新書のベストセラー『1940年体制』を戦後史とい…

岩田慎平『北条義時』(中公新書)

せんせいのお薦めに心惹かれ,『塞王の楯』を読み始めてしまった。おもしろい! そして,分厚い!直木賞発表までに読み終えられるか・・・。 ---さて。 大河ドラマの主人公が北条義時なのだけれど,実はよく知らない。どういう生涯を送った人なのか,本当に…

山本健人『すばらしい人体』(ダイヤモンド社)

今日は共通テスト初日&京阪神中学入試の解禁日。 コロナ禍の中での受験シーズン到来です。今年こそはコロナも終息するのかな。 今週はこまごまと本を読んだのですが、しっくりくるものがなかったので、報告みたいになってしまいますが。 この『すばらしい人…

柚月裕子『ミカエルの鼓動』(文藝春秋)

いえいえ,守備範囲だなんて・・・(笑)。直木賞は読書の世界の大イベントなので,どんどん盛り上げていきましょう!『黒牢城』,おもしろかったです(正月に読んだ)。 ---さて。 大学病院を舞台にした,久々の大作である。柚月裕子『ミカエルの鼓動』。 …

今村翔吾『塞王の楯』(集英社)

10年ほど前に「ほこ×たて」というバラエティ番組があって、「絶対○○なもの」どうしが対決してどちらが勝利するか、というもので、けっこう好きだった。 本作品は「絶対に落ちない石垣」と「絶対に落とす鉄砲」が対決する。 舞台は太閤亡き後の天下分け目の戦…

彩瀬まる『新しい星』(文藝春秋)

どうせなら普段は読まないような本を,と思って選んだのがこちら。彩瀬まる『新しい星』。 8編の小作品からなる連作短編集である。 就職して,結婚して,子育てをして・・・という人生は「普通」なのか。「普通」から一度でも脱落してしまうと,もはや幸福…

門井慶喜『地中の星』(新潮社)

新年あけましておめでとうございます。今年もよい本との出会いに恵まれますように。 最初に読んだ門井慶喜氏の本は、『家康、江戸を建てる』だった。名もなき人たちがそれぞれの持ち場で最善を尽くすことで、江戸の礎が築かれたという、400年前のプロジェク…