2022-02-01から1ヶ月間の記事一覧

五味文彦=本郷和人編『現代語訳 吾妻鏡(1)頼朝の挙兵』『同(2)平氏滅亡』(吉川弘文館)

「ビギナーズ・クラシックス 日本の古典」シリーズ『吾妻鏡』が予想以上に面白かった。1週間くらい逡巡した結果、ついにこちらに手を出すことに。五味文彦=本郷和人編『現代語訳 吾妻鏡』。 吾妻鏡の全訳である。全16巻。さすがに全部読みとおすのは無理…

鴨長明『方丈記』

ロシアのウクライナ侵攻の前に、心穏やかに過ごすのはちょっとしんどい。 ゆく河の流れは絶えずして、しかも本の水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとどまりたるためしなし。世の中にある人と栖と、又かくのごとし。 「方丈記…

島本理生・辻村深月・宮部みゆき・森絵都『はじめての』(水鈴社)

4人の作家が「はじめて〇〇したときに読む物語」をテーマにYOASOBIとコラボレーション! 島本理生・辻村深月・宮部みゆき・森絵都『はじめての』。 ・・・いやもうこんなのあり得ないでしょ。豪華すぎる。当然のように発売日に本屋へダッシュ。 まずは島本…

松沢裕作『生きづらい明治社会 不安と競争の時代』(岩波ジュニア新書)

先日、風呂なしアパートで暮らす「持たない」生活、という特集があって、目を疑った。何をどう逆立ちしても「貧しくなった」からなのだ。そこそこ働いてそこそこの暮らしができた「戦後日本」は音を立てて崩れ、がんばってもがんばって、それでもダメなら努…

『吾妻鏡』(西田友広編・角川ソフィア文庫)

大河ドラマ『鎌倉殿の13人』が予想以上におもしろい。日曜夜が楽しみでならない。 ところで、脚本の三谷幸喜が「これが原作のつもりで書いている」と話しているのが、『吾妻鏡』。・・・これは読まねば。 ということで、今回もやはり、「ビギナーズ・クラ…

ジョン・W・ダワー『戦争の文化 パールハーバー・ヒロシマ・9.11・イラク』上・下巻(岩波書店)

ジョン・ダワーの作品といえば、大先生の紹介にもあった『敗北を抱きしめて』があまりにも有名であるが、本書はその続編とも、ダワーの集大成ともいうべきものである。 テーマは「戦争の文化」。 真珠湾攻撃と9.11を対比させ、それへのアメリカの反応を対比…

古矢 旬『シリーズ アメリカ合衆国史4 グローバル時代のアメリカ』(岩波新書)

先月,本屋大賞ノミネート作が以下のとおり発表されました。 青山美智子『赤と青とエスキース』(PHP研究所)知念実希人『硝子の塔の殺人』(実業之日本社)米澤穂信『黒牢城』(KADOKAWA)小田雅久仁『残月記』(双葉社)一穂ミチ『スモールワー…