2018-01-01から1ヶ月間の記事一覧

今村昌弘『屍人荘の殺人』(東京創元社)

昨年末,ミステリ界に衝撃が走った。 『このミステリーがすごい!』国内編第1位。『週刊文春ミステリーベスト10』国内部門第1位。『本格ミステリ・ベスト10』国内ランキング第1位。 年末恒例の各ミステリ・ランキングの1位を,1冊の本が独占した。…

井上寿一『戦争調査会 幻の政府文書を読み解く』(講談社現代新書)

この1週間は、文芸書ではなく、新書ばかり読んでいた。 新書というのは玉石混交で、こんなん週刊誌レベルやん(金返せ)、というのから、学術書としても一級品のものまであるわけで、そんな中でアタリを手にできるかどうか、ドキドキしながら本をレジに運ぶ…

知念実希人『崩れる脳を抱きしめて』(実業之日本社)

現役の医師にして小説家(しかもちょっとラノベ寄りの),知念実希人がついに小説界のセンターステージに上がってきました。『崩れる脳を抱きしめて』。著者初の本屋大賞ノミネートです。 研修医である主人公は,神奈川の病院で入院患者の女性と出会います。…

門井慶喜『屋根をかける人』(角川書店)

大先生おすすめの『銀河鉄道の父』が、みごと直木賞受賞!大先生、さすがです。 さて、関西人であれば「ヴォーリズ建築」に触れないでは暮らしていけない。京都のあちこちの教会、四条大橋の東華菜館、同志社、関学、神戸女学院、取り壊されたけれど心斎橋の…

伊坂幸太郎『ホワイトラビット』(新潮社)

再び,伊坂幸太郎である。 伊坂幸太郎の作品には仙台を舞台にしたものが多い。代表作の一つで,僕の大好きな作品でもある『ゴールデンスランバー』もそうで,これなんかは映画にもなり,当然ながら仙台の各地でロケがされた。 今回の『ホワイトラビット』も…

田中圭一『うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち』

田中圭一といえば、手塚治虫をはじめとする名だたる巨匠のパロディでエロ漫画を描く達人(けっこう好きなんですけど)なんですが、彼がまじめに(失礼)描いた、18人の「うつ(抜け)」にまつわるエピソード。 へえ、この人も、この人も。答えが出されている…

澤田瞳子『火定(かじょう)』(PHP研究所)

年始めの1本目は,こちらの本を紹介したい。澤田瞳子『火定(かじょう)』。 パンデミックを題材とした小説である。といっても,現代や近未来が舞台というわけではない。舞台は今から1200年以上も前の天平時代。裳瘡(天然痘)による平城京の大混乱を描…

妹尾昌俊『「先生が忙しすぎる」をあきらめない』(教育開発研究所)

あけましておめでとうございます。 私もみなさまも、今年もよい本に出会えますように。 2017年は「ブラック教職」「ブラック部活動」という言葉がたびたび Yahoo!ニュース のヘッドラインを飾り、国会でもこの問題が取り上げられることが増えた。中教審の緊…