2022-05-01から1ヶ月間の記事一覧

浅倉秋成『俺ではない炎上』(双葉社)

『六人の嘘つきな大学生』の衝撃からはや1年。また新たな名作ミステリの誕生か!? 浅倉秋成『俺ではない炎上』。 大手ハウスメーカーの営業部長・山縣泰介。バリバリと仕事をしていた彼は、ネット上で突然「女子大生殺害犯」と断じられ、実名や顔写真が一…

堂場瞬一『ザ・ウォール』(実業之日本社文庫)

BIG BOSS率いる北海道日本ハムファイターズを、ずっと気にかけている。どこかでこのチームは大化けすると信じているし、そうなったら日本の野球が変わる。 ファイターズは来年春から新球場に移る。「世界がまだ見ぬボールパーク」なんだそうだ。球場にはそれ…

オルダス・ハクスリー『すばらしい新世界』(大森望訳・ハヤカワepi文庫)

伊坂幸太郎さんの新刊! 今回はどうしようかと思っていたけれど・・・面白そうなので読んでみるか~。 --- 以前読んだオーウェル『1984年』が面白かったので、同じディストピア小説の古典つながりで、今度はこちらを読むことに。オルダス・ハクスリー『…

伊坂幸太郎『マイクロスパイ・アンサンブル』(幻冬舎)

大先生がいつも新刊が出たらすぐに評される伊坂幸太郎、あれ、これはまだだぞ?ということで、私も大好きな伊坂幸太郎。表紙もかわいくて、手にしてしまいました。 舞台は猪苗代湖。エージェントとして危険な任務に向き合う男と、突然彼女に別れを告げられた…

五味文彦=本郷和人編『現代語訳 吾妻鏡(7)頼家と実朝』『同(8)承久の乱』(吉川弘文館)

ずっと読み進めている『現代語訳 吾妻鏡』。第7巻「頼家と実朝」は、建仁元年(1201年)から建保元年(1213年)までを収録。いよいよ北条義時が権力を掌握していく。 相変わらず源頼家は無能な将軍として描かれ続け、結局、何ら見せ場のないまま修…

黒川祐次『物語 ウクライナの歴史』(中公新書)

2022年5月15日。葵祭。沖縄復帰50年。犬養毅首相が襲われて90年。74回目のナクバ。 遅ればせながら手にした、元駐ウクライナ大使によるウクライナ史である。 紀元前のスキタイ人に始まり、キエフ・ルーシの建国と、リトアニアとポーランドによる占領、コサッ…

稲田豊史『映画を早送りで観る人たち』(光文社新書)

映画を早送りで観る人たちがいるという。NetflixやAmazonプライム・ビデオ等の動画配信サービスで映画を観る際に、普通に鑑賞するのではなく、1.5倍速で流したり、スキップをしたりしながら観るのだとか。稲田豊史『映画を早送りで観る人たち』。 つまら…

重松清『とんび』(角川文庫)

何年か前までは、映画を観に行くといえば、チビたち連れてのアンパンマンだった。その後、ドラえもんになり、ポケモンになったりして、最近ではディズニーアニメまで観に行けるようになった。ただ、予告編は大人の映画も交じっているので、そこでちょっとだ…