2023-07-01から1ヶ月間の記事一覧

青木敬『古墳図鑑』(日本文芸社)

考えてみたらこれも本だ。青木敬『古墳図鑑』。 全国各地の300基以上もの古墳をまとめた図鑑である。図鑑といってもそう大きくなく、携帯に便利なハンディサイズである。 原則として1頁につき古墳1基を紹介。写真も豊富。古墳そのものの説明に加え、墳…

辻田真佐憲『「戦前」の正体 愛国と神話の日本近現代史』(講談社現代新書)

大先生、今回も直木賞的中、さすがです! 今年の祇園祭ももうすぐ幕を閉じるのだが、例年祭りの後になると「近代国家日本」について考えてしまう。江戸時代、あるいは室町時代から脈々と続くしきたりや懸装品を前にすれば、近代日本もひとつの時代として相対…

真夏のコミック6選+1

当ブログで紹介した垣根涼介『極楽征夷大将軍』(文藝春秋)と永井紗耶子『木挽町のあだ討ち』(新潮社)がダブルで直木賞受賞! おぉ!! --- 眞藤雅興『ルリドラゴン』(ジャンプコミックス) 高校生の青木ルリ。ある朝、いきなり頭にツノが生えていて――。…

李宣英『準市場の成立は高齢者ケアサービスを変えられるか 日韓の比較実証分析』ミネルヴァ書房

先週末は祇園祭前祭の宵山、今週末は後祭の宵山です。24日の後祭巡行と還幸祭で、祭の方はクライマックスを迎えます。 というわけで、先週今週は空き時間をそっちの方に全振りをしてしまったので、今週もまた仕事関係の本で失礼いたします。(いったん止ま…

井原西鶴『好色一代男』(中嶋隆訳・光文社古典新訳文庫)

江戸時代までの文学と明治時代以降の文学との間には断絶があるのではないか。そう思わざるを得ないほど、現代の感覚からするとぶっ飛んだ内容であった。井原西鶴『好色一代男』。 色男・世之介の生涯を描いた小説である。 全54章からなるこの小説。作品中…

カティ・マートン『メルケル 世界一の宰相』(文藝春秋)

生まれて間もないアンゲラは、厳格なルター派の牧師である父とともに、ハンブルクから東ドイツへ向かっていた。非凡な才能を持つアンゲラであったが、聖職者の娘として、秘密警察国家で生き残る術を幼いながらに身につけていく。学生時代の最初の結婚と離婚…

岡田麿里『アリスとテレスのまぼろし工場』(角川文庫)

岡田麿里が初めて監督を務めた映画「さよならの朝に約束の花をかざろう」からはや5年。今年9月には監督2作目となる映画「アリスとテレスのまぼろし工場」の公開を控えている。その小説版(監督自ら執筆)が発表されたので、読んでみた。岡田麿里『アリス…

「カトリック教会情報ハンドブック2023」(カトリック中央協議会)

思っていた以上にコロナはしんどくて、熱が出ていたときにはスマホ見るのもしんどくて、考え事するのもめんどうだった。熱が下がってもしばらくは頭痛が残って活字どころではなく、ただゴロゴロして過ごした。 発症5日目にしてようやく少し楽になってきて、…

広末涼子『ヒロスエの思考地図 しあわせのかたち』(宝島社)

せんせい、お大事にっ!! --- 広末涼子のエッセイ本である。 ライターさんが本人の話を文章化しているだけのエッセイ本も少なくない中、本作は、広末涼子が本当に原稿を書いている(しかも手書きで)というのがウリである(これすら嘘というのであれば、も…