「カトリック教会情報ハンドブック2023」(カトリック中央協議会)

 思っていた以上にコロナはしんどくて、熱が出ていたときにはスマホ見るのもしんどくて、考え事するのもめんどうだった。熱が下がってもしばらくは頭痛が残って活字どころではなく、ただゴロゴロして過ごした。

 発症5日目にしてようやく少し楽になってきて、近くにあった冊子を手にしたのがこれだった。つい先日、前の校長先生にカトリック学校のことで話を聞いたときに、よかったら差し上げます、といっていただいたものだ。ところどころ付箋が貼ってあって、ほんとうに使っていたのがわかる。

 ページを開くと、日本の16の教区と信者数の書かれた地図がある。2021年12月現在で信者総数は431,100人・・・人口のわずか0.3%、そのうち長崎だけで58,492人。それを1,275人の司祭で全国を担当している。修道女は4,619人、修道士はわずか136人。これは大変だ。

 続いて、教皇フランシスコのイラストが描かれた「カトリック新聞」の広告。後ろの方にも広告があって、ミサ用ワインやカトリック葬儀社、墓石、図書館、設計事務所、病院などの広告が連なっている。なかなか興味深い。

 巻頭特集は出版部の編集による、教皇パウロ6世(在位1963~78年)によって幾度となく出された「平和メッセージ」の解題である。ベトナム戦争激化、アメリ公民権運動、印パ戦争、文化大革命激化、第3次中東戦争、ビアフラ内戦、イエメン内戦・・・このような国際情勢の中で、教皇は何を訴えたのか。

「60年近くも前に高らかになされた教皇の演説の中のこのことばが、残念ながら今の世にも、一文字たりとも変更することなく響かなければなりません。
 それは悲劇的なことかもしれません。ですが希望を捨てるわけにはいかないのです。ともに祈りたいと思います。わたしたち皆が、希望を伝える者となれますように。」

 その後、教会暦があって、住所録が続く。
 住所録は、教皇庁大使館、司教館、修道会本部一覧のあと、教区ごとに、教会や教育・医療・福祉などのカトリック関係施設の一覧が続く。こんなに修道会ってあったのね、というくらい知らない修道会がたくさんあって驚く。また、手話ミサや外国語ミサの案内も掲載されていて、日本のカトリックの広がりやあり方についてもいろいろと考える。

 普段読まないものをじっくりと読むのは、なかなか興味深い。
 よい機会をいただいた。

 

*「螺旋」プロジェクトの方は、「シーソーモンスター」(昭和)「スピンモンスター」(近未来)から、「ウナノハテノガタ」(原始)→「月人壮士」(古代)→「もののふの国」(中世・近世)と遡ってきて、「蒼色の大地」(明治)の途中で中断。近々再開いたします。あと4冊。

(こ)