2023-04-01から1ヶ月間の記事一覧

横溝正史『犬神家の一族』(角川文庫)

NHKBSで「犬神家の一族」をやっていた。ひとまず前編だけを見たが、結構面白かったので、原作も読むことに。横溝正史『犬神家の一族』。 昭和20年代の信州。犬神財閥の創始者・犬神佐兵衛が死去した。「斧(よき)」「琴(こと)」「菊(きく)」に象徴さ…

田中圭太郎『ルポ大学崩壊』(ちくま新書)

新書における名物シリーズ?に崩壊ものがある。教育も学校も教師も保育も産科医療もみんなみんな崩壊してしまって、どれを読んでも目の前が真っ暗になるくらい、しばらく立ち直れなくなる。 さて、今回は大学が崩壊する。国立大学の独法化と私立学校法改正に…

中嶋博行『検察捜査』(講談社文庫)

書店に行ったら中嶋博行さんの新刊が出ていた。っていうか何年ぶりの新刊だ。調べてみたら、そもそもこれまで6冊しか本を出していなかった。今回ので7冊目となるらしい。 ちょっと懐かしくなってデビュー作を改めて読んでみた。『検察捜査』。 1994年…

梅沢富美男『句集 一人十色』(ヨシモトブックス)

大先生の直木賞予想、すばらしすぎます・・・。 今週も手にして読んだのは仕事の関係の本ばかりなので、あまりブログで紹介できるようなものに出会わず、ポップなものになりました。 「プレバト」で夏井いつき先生が俳句を添削し始めて、もう10年になります…

前田雅之『古典と日本人 「古典的公共圏」の栄光と没落』(光文社新書)

2023年本屋大賞は凪良ゆうさんの『汝、星のごとく』に決定!おめでとうございます! 圧巻でした! そして2位に安壇美緒さんの『ラブカは静かに弓を持つ』が、3位に一穂ミチさんの『光のとこにいてね』が入りました! 当ブログで「『汝、星のごとく』と…

「鎌倉殿の13人」THE MAKING(東京ニュース通信社)

新年度が始まりました。18年ぶりに持つ学年で、まったく新しい担当科目になったこともあり、気合いは入っていますが、なかなか思うように仕事の段取りはできないものです。 というわけで、活字がまったく頭に入っていかない毎日でして、家に帰ってきてビール…

フランシス・フクヤマ『リベラリズムへの不満』(会田弘継訳・新潮社)

「嘘は、とびきりの愛なんだよ?」 当ブログで2回も紹介した赤坂アカ×横槍メンゴ『推しの子』。4月からTVアニメ化されることとなり、その第1回(約90分)が3月から『【推しの子】Mother and Children』というタイトルで映画館で先行上映された。 予…

松岡亮二・髙橋史子・中村高康編著『東大生、教育格差を学ぶ』(光文社新書)

『現場に役立つ教育社会学』という、現場には役に立たない意識高い系の書籍が刊行されたのが、2021年秋のこと。この本をテキストとして、執筆陣によって東京大学で半年間のリレー講義が開講された。その内容を書籍としてまとめたものが、本書である。 前書に…

酒井順子『うまれることば、しぬことば』(集英社)

ジャケ買いという言葉があるが、この本は「目次買い」というべきであろう。目次に惹かれて読んでみた。酒井順子『うまれることば、しぬことば』。 新しく使われるようになった言葉。他方で、使われなくなっていった言葉。本書は、そんな言葉をテーマにしたエ…