2018-04-01から1ヶ月間の記事一覧
有名作家の作品ではない。ベストセラーでもない。超大作でも感動巨編でもない。それでも今回はこの本を紹介したい。王谷 晶『完璧じゃない、あたしたち』。 23編の短編からなる短編集である。共通するテーマはたった一つ。すべて“女と女が主人公”というこ…
久々にいい本を読んだ。瀬尾まいこ『そして,バトンは渡された』。「親子」の物語である。 高校生の優子は,血の繋がらない「父親」である「森宮さん」と二人で暮らしている。実母は小さい頃に亡くなり,実父も遠くへ行ってしまっている。「森宮さん」はちょ…
教育系新書紹介、もう1冊は、中澤渉『日本の公教育』。 中身については、学術書として出された『なぜ日本の公教育費は少ないのか』(サントリー学芸賞受賞)をベースに新書サイズに整理して書き直したもので、学校教育の外部性や階層研究などの教育社会学の…
今週,「2018年本屋大賞」のベストテンが発表されました。ノミネート作品発表から約3か月。長かったような,短かったような…。 ・第1位:辻村深月『かがみの孤城』 やりました。堂々の第1位です。圧勝でした。この本が一人でも多くの人に読まれますよ…
本屋大賞、大先生の予想通り、『かがみの孤城』になりましたね! さすがです!! さて、教育社会学関係でなかなかよい新書が2冊立て続けに出ました。 ひとつめが、小針誠『アクティブラーニング』。このタイトルの書籍はたいてい、どうやったらアクティブラ…
来週10日,いよいよ本屋大賞発表。ということで,ベスト3くらいまでを,個人的な主観も混ぜ込んで予想したいと思います。(結局,ノミネート作品10作中,8作まで読んでいました。) ・第1位:辻村深月『かがみの孤城』 いやあもうこれは確実でしょう…
小川糸『ツバキ文具店』は良かった。代書屋という(架空の)仕事。人の悩み,想いというものを「手紙」という形で前に進めるというストーリー。そして「母」と「娘」(本当は「祖母」と「孫」なんだけど)の葛藤。最後はきれいにまとまり,よい話だった。 ・…
戦後70年、あるいは明治150年、まがいなりにも先人たちが築き上げてきた価値の体系と統治のシステムが、たった5年の間に音を立てて崩れてしまったような、めまいにも似た感覚に震えながら、国会中継を通して見る一部の官僚の姿は、ここは近代国家ではなく、…