2022-10-01から1ヶ月間の記事一覧

新海誠原作・あきさかあさひ著『小説 星を追う子ども』(角川文庫)

新海誠監督、4作目の劇場用アニメーションのノベライズ版である。『小説 星を追う子ども』。 母と2人暮らしの少女・アスナ。ある日、「アガルタ」から来たという少年・シュンと出会うが――。 前作『秒速5センチメートル』から4年。これまでにない数のスタ…

石井幸孝『国鉄 「日本最大の企業」の栄光と崩壊』(中公新書) ・佐藤信之『鉄道と政治 政友会、自民党の利益誘導から地方の自立へ』(中公新書)

今年の10月14日で、鉄道開業150年! というわけで、鉄道関係の本を読むことにした。 『国鉄』は、日本最大の企業であり、巨大官僚機構でもあった国鉄が、焦土の中から立ち上がり、高度成長を支えながら、次第に機能不全に陥り、最後は強制的に解体されて再生…

榎本正樹『新海誠の世界』(KADOKAWA)

こんな本が昨年に出ていたとは知らなかった。榎本正樹『新海誠の世界』。 最初期の自主製作作品から『天気の子』まで、新海誠の全作品を読み解く論評集である。 第1章は、「最初期作品群」として、パソコンとの出会い、そして『彼女と彼女の猫』を初めとす…

鈴木エイト『自民党の統一教会汚染 追跡3000日』(小学館)

今週はこの本のインパクトが強すぎて・・・。 中身については、鈴木氏が丁寧に丁寧に取材を重ねて手に入れた情報を、ただひたすら書き連ねているだけである。そこに色はついていないし、変な加工はされていない。 これがすべてほんとうのことなら・・・この…

相沢沙呼『invert II 覗き窓の死角』(講談社)

反転、再び――。 相沢沙呼『invert II 覗き窓の死角』 『medium 霊媒探偵城塚翡翠』、『invert 城塚翡翠倒叙集』に続く、シリーズ3作目である。相沢沙呼『invert II 覗き窓の死角』。今回は、「生者の言伝」と「覗き窓の死角」中編2作を収録。 「生者の言伝…

伊集院光『名著の話 僕とカフカのひきこもり』(KADOKAWA)

NHK「100分 de 名著」は、ときどき見てはいつも「う~~む」とうなって終わる。名前は知っているけど読んだことない本が、実はこんな本だったんだよ、と導いてもらえるし、読んだことある本が、実はこういう読み方できるんだよ、と教えてもらえる。 そんな番…

新海誠『小説 秒速5センチメートル』(角川文庫)

「ねえ、秒速5センチなんだって」「え、何が?」「桜の花びらの落ちるスピードだよ」 新海誠の作品のノベライズ版で、まだ読んでいなかったものを片っ端から読んでいる。その中から今回は『小説 秒速5センチメートル』を紹介。3作目の劇場公開作品の、監…

垣谷美雨『七十歳死亡法案、可決』(幻冬舎文庫)

去年「老後の資金がありません!」という映画が上映されて、主演の天海祐希さんが表紙にでかでかと描かれた原作本が平積みされていた。そのとき、原作者の垣谷さんという名前を知った。その後、書店で彼女の本に目が行くようになった。いずれもなかなかタイ…