2020-04-01から1ヶ月間の記事一覧

ユヴァル・ノア・ハラリ『サピエンス全史(上・下)』(河出書房新社)

4人のホモ・サピエンスがテーブルを囲んで食事をしている。2匹は大人で、2人は子どもである。この4人が200万年前のサバンナにタイムスリップして投げ出されてしまえば、あっという間に野獣の餌食になるか、食料を得られずに飢え死にしてしまうことだろう。今…

ヴォルテール『寛容論』(斉藤悦則訳,光文社古典新訳文庫)

こんな時代だからこそ,広く読まれてほしい。ヴォルテール『寛容論』。 18世紀のフランス。社会の中で圧倒的多数を占めるカトリックと,少数被圧制者のプロテスタントとの対立が続く中,プロテスタントのジャン・カラスが実子殺しの容疑で逮捕され,ほぼ証…

ジャレド・ダイアモンド『銃・病原菌・鉄(上下巻)』(草思社文庫)

20年前に読まなくちゃ、と思ってそれっきりになっていた本書を、この機会に手にする。 もうとっくに読んだよ、という人もいると思うけれど、ご容赦ください。 本書は、文化人類学者の著者が、1970年代にニューギニアの優れたリーダーによって投げかけられた…

山本太郎『感染症と文明』(岩波新書)

気が付けば250回! よく読みましたね~!! ---さて。 せんせいと示し合わせたわけではないのだけれど,僕も感染症についての本を読んでいた。山本太郎『感染症と文明』。 感染症と人類との関係を,「文明」とか「社会」といった切り口から論じた本である…

岩田健太郎『新型コロナウィルスの真実』(ベスト新書)

時節柄、カミュの『ペスト』を読もうと思ったのだが、書店からは消えている。学校の図書館にも『異邦人』はあっても『ペスト』はなかった。Kindleは苦手なのだが、それしかないか。 さて。 本書は4月11日に緊急出版された、神戸大学の岩田教授の語り下ろしで…

気がつけば、250回を超えていた。

2017年(20) 辻村深月『かがみの孤城』(ポプラ社) 神成美輝・百枝義雄『モンテッソーリ流「自分でできる子」の育て方』(日本実業出版社) 柚月裕子『盤上の向日葵』(中央公論新社) サンテグジュペリ『星の王子さま』 池上永一『ヒストリア』(角川書店…

フローベール『三つの物語』(谷口亜沙子訳,光文社古典新訳文庫)

『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』,確かに最近よく話題になっていますね。新聞のコラム等でしばしば引用されたり,著者がテレビに出たり。さすがせんせい,先見の明ありです。 ---ヴォルテールの次はフローベールを読もう,ということで,『…

湯浅邦弘『ビギナーズ・クラシックス 中国の古典 呻吟語』(角川ソフィア文庫)

卒業生への言葉に、何か漢籍からかっこいいことでも書こうかと色気を出して、ネットでいろいろ検索していたら、こんなのを見つけた。 人の一生の大なる罪過は 只「自ら是とし自ら私す」の四字に在り (人一生大罪過 只在自是自私四字) 出典は『管子』となっ…

ヴォルテール『哲学書簡』(斉藤悦則訳,光文社古典新訳文庫)

今年の本屋大賞,発表会自体は開催せず,インターネット上で配信するとのこと。状況が状況だけに仕方がないが,でも残念。今年はノミネート10作品中,6作品を読了したが,イチオシはやっぱり,ノミネート前からずっと推している『線は,僕を描く』である…

辻村深月『朝が来る』(文春文庫)

涙腺崩壊。 コメント不能。 朝が来る (文春文庫) 作者:深月, 辻村 発売日: 2018/09/04 メディア: 文庫 (こ)