2023-10-01から1ヶ月間の記事一覧

岡崎琢磨『鏡の国』(PHP研究所)

これもよく見かけるので、どんなのかなと思って読んでみた。岡崎琢磨『鏡の国』。 亡き大御所ミステリー作家・室見響子の姪である「私」。遺稿となる私小説『鏡の国』を前に、担当編集者はこう言った。「『鏡の国』には、削除されたエピソードがあると思いま…

清田隆之『よかれと思ってやったのに 男たちの「失敗学」入門』(双葉文庫)

男性から女性への失言というかセクハラとか、そういうのは、昭和のオヤジがやるものだと思っていたけれど、そうじゃない。 著者は企画で1000人以上の女性から「恋バナ」を聞いていくうちに、実は男たちヤバいんじゃね?、と気づいてしまう。 話を聞かない、…

平田陽一郎『隋-「流星王朝」の光芒』(中公新書)

映画「キリエのうた」(岩井俊二監督)を見に行った。どこを切り取っても「絵」になる研ぎ澄まされた映像美と、心震わせるストーリー。キャストの中では松村北斗が秀逸。広瀬すずもクセのある役をうまく演じていた。 ところで原作小説の表紙、抽象画か何かだ…

カレン・チャン(古屋美登里訳)『わたしの香港 消滅の瀬戸際で』(亜紀書房)

植民地香港が中国に返還されたのが1997年。一国二制度を標榜し、50年間は現体制が維持されるはずであったが、2014年の「雨傘運動」、2019~20年のデモを経て、香港国家安全維持法のもとでデモは制圧され、香港は大陸に吸収された。 著者は1993年香港生まれ。…

井上真偽『アリアドネの声』(幻冬舎)

広告でよく見かけるので、どんなのかなと思って読んでみた。井上真偽『アリアドネの声』。 ドローン関係のベンチャー企業に務めるハルオ。仕事先で地震に遭遇し、そこで「見えない・聞こえない・話せない」女性が地下に閉じ込められていることを知る。ハルオ…

ジェフリー・ロバーツ(松島芳彦訳)『スターリンの図書室』(白水社)

ハルバースタム、不世出のジャーナリストですよね。 モスクワ郊外のスターリンの別荘には、2万5千冊の蔵書を収蔵した図書室があり、彼は時間をみつけてはそこで過ごした。司書がいてスターリンの指示に従って分類し、ジャンルを問わず、片っ端からめぼしい本…

デイヴィッド・ハルバースタム『ザ・コールデスト・ウインター 朝鮮戦争(下)』(山田耕介ほか訳・文藝春秋)

勢いに任せて下巻まで読み通した。デイヴィッド・ハルバースタム『ザ・コールデスト・ウインター 朝鮮戦争(下)』。 仁川上陸作戦の大成功に気を良くしたマッカーサーは、なんと中朝国境の鴨緑江まで米軍を進めさせるよう命じる。 極寒の朝鮮半島北部におけ…

池波正太郎『武士(おとこ)の紋章』(新潮文庫)

NHK朝ドラ「らんまん」が終わった。恥ずかしながら牧野富太郎という人を初めて知った。彼のことを池波正太郎が書いていると聞いて、手にしてみた。 そのエッセイは、8人の男達の生き様を描いた短編集の中に収められていて、黒田如水、真田信幸・幸村兄弟、堀…

デイヴィッド・ハルバースタム『ザ・コールデスト・ウインター 朝鮮戦争(上)』(山田耕介ほか訳・文藝春秋)

伊坂幸太郎『777 トリプルセブン』、実は僕も読みました。最初から最後まで、ずーっと面白かった!今、刊行記念グッズのオリジナルTシャツを買うかどうか思案中。 --- 一度読みたいと思っていたが、なかなか手を出せずにいた。今回、ちょっと時間が取れ…

伊坂幸太郎『777(トリプルセブン)』(角川書店)

はじめて伊坂幸太郎という作家に出会ったのは、書店でたまたま手にした祥伝社の新書版『陽気なギャングが地球を回す』だった。一癖も二癖もある登場人物たちが、めまぐるしく切り替わる場面の中で、淡々と気の利いた会話を続けながら、クライマックスへと突…