2023-01-01から1ヶ月間の記事一覧

峰岸純夫『享徳の乱』(講談社選書メチエ)

ゆうきまさみ『新九郎、奔る!』の最新刊では「享徳の乱」が佳境を迎えつつある。 享徳3年(1454年)12月、鎌倉公方(古河公方)の足利成氏(しげうじ)が関東管領の上杉憲忠を誅殺。以後、30年近くにわたって続いた関東の内乱である。 この「享徳…

青山美智子『月の立つ林で』(ポプラ社)

「竹林からお送りしております、タケトリ・オキナです。かぐや姫は元気かな」 月をテーマに毎日10分間配信されるポッドキャストを聴く、5人の物語。 看護師を辞めた姉と、役者を志す弟。かつて弟とコンビを組み、今も芸人を続けている地方出身の男。娘が突然…

矢樹純『不知火判事の比類なき被告人質問』(双葉社)

第168回直木賞は小川哲さんの『地図と拳』と、千早茜さんの『しろがねの葉』に決まりました! ・・・それにしてもあんな分厚い本、よく獲ったな~。 そして同じく今週発表された本屋大賞ノミネート作品10作! 当ブログで紹介した中からは、凪良ゆうさん…

アルテイシア『59番目のプロポーズ キャリアとオタクの恋』(幻冬舎)

「……アムロか?」――それが出会い(実話)。 2004年11月、「mixi」のブログに日記の連載が始まった。モテ系キャリアウーマンとモテないオタクの恋物語である。話題となったこの恋物語は、翌年アッという間に書籍化され、映画化やドラマ化もされた。藤原紀香と…

福間良明『司馬遼太郎の時代』(中公新書)

司馬遼太郎は同時代性の高い作家だと思っていたが、既にその死去(1996年)から四半世紀が過ぎ、ついに中公新書で取り上げられるまでになった。福間良明『司馬遼太郎の時代』。 本書では、司馬遼太郎の生涯をめぐりつつ、その作品がなぜ、どのように人々…

山本文緒『無人島のふたり 120日以上生きなくちゃ日記』(新潮社)

余命と向き合いながらの文学、というのは、いろいろとある。 2021年4月、山本文緒さんが膵臓ガンの宣告を受ける。すでにステージ4、もはや治療法はない。抗がん剤の激しい副作用とその延命効果を考えた末に、彼女は緩和ケアを選択する。 日記は5月から始まる…

『正訳 紫式部日記』(中野幸一訳・勉誠出版)

年末年始はこれを読んで過ごした。中野幸一訳『正訳 紫式部日記』。 2024年の大河ドラマ「光る君へ」が紫式部ということもあるけれど、直接の契機となったのは、コミック『神作家・紫式部のありえない日々』(D・キッサン著)。紫式部を主人公にした作…

勅使川原真衣『「能力」の生きづらさをほぐす』(どく社)

あけましておめでとうございます。このブログも7年目に突入。今年もどうぞよろしくお願いいたします。 2023年の1冊目、通算563冊目は、この本から。 ときは2037年、大学を出て就職したものの会社でつらい思いをしている息子と、高校生の娘の前に、ガンで死ん…

2022年の110冊

門井慶喜『地中の星』(新潮社)彩瀬まる『新しい星』(文藝春秋)今村翔吾『塞王の楯』(集英社)柚月裕子『ミカエルの鼓動』(文藝春秋)山本健人『すばらしい人体』(ダイヤモンド社)岩田慎平『北条義時』(中公新書)野口悠紀雄『戦後日本経済史』(新…