2020-05-01から1ヶ月間の記事一覧

伊坂幸太郎『逆ソクラテス』(集英社)

緊急事態宣言が解除されて行きつけの本屋が再開したら,真っ先に買おうと思っていた本。伊坂幸太郎『逆ソクラテス』。 小学校を舞台にした,5つの話からなる短編集である。 大人による決めつけ・先入観を扱った第1話「非ソクラテス」。いじめをテーマにし…

出口治明『「教える」ということ』(角川書店)

このあいだ、NHKの「100分 de 名著」に出口さんが出ていたので、文字通り100分間出口さんに教えを受けた。出口さんの読書家ぶりは有名だが、ビジネスの話も交えながら本のことを嬉々として話す出口さんを実際に見ると、立命館はいい人を選んだなあ、と思った…

後深草院二条『とはずがたり』(佐々木和歌子訳,光文社古典新訳文庫)

お手軽な日記文学かと思って買ってみたところ,想像の遥か上を行くハードな内容におののいてしまい,そのままになっていた本。後深草院二条『とはずがたり』。 時は鎌倉時代。後深草院(後深草上皇)の女房を務めていた「二条」の,波乱万丈の自叙伝である。…

佐々木慶昭『日本カトリック学校のあゆみ』(コルベ新書)

Stay Homeのおかげで、東京で大学教育をしている友人の呼びかけで始まった読書会に、京都から参加させてもらうことができた。アメリカ社会学会で学会賞に輝いた Catholic Schools and the Common Good を、上智と聖心と雙葉の関係者で集まって読もうというも…

羅貫中『三国志演義』第3巻・第4巻(立間祥介訳,角川ソフィア文庫)

先週から引き続き,羅貫中『三国志演義』である。 第3巻は,劉備が蜀を獲得して天下三分となるも,関羽を討たれ,張飛も部下に殺され,そして劉備自身も亡くなる。 第4巻は「出師の表」から北伐,諸葛亮の死亡を経て,晋(司馬炎)による三国統一までを描…

桃崎有一郎『「京都」の誕生 武士が造った戦乱の都』(文春新書)

中世関連の新書が元気だけれど、そのエネルギーが院政期~平氏政権にまで拡散してきた。本書は律令国家の「平安京」から中世の「京都」への推移を、都のガードマン・武士のポジションの変化を縦軸に据えながら、院政期の「鳥羽」「白河」「東山」、平氏の拠…

羅貫中『三国志演義』第1巻・第2巻(立間祥介訳,角川ソフィア文庫)

こういう情勢なので書店にはかなり前から行っていないし,そもそも街を出歩いたりすらしていないのだけれど,まあ本だけは読むようにしている。とはいっても新しく買うことはできないので,以前買ったままにしてある本とか,最初の方だけ読んで挫折してしま…

半藤一利・保阪正康『賊軍の昭和史』(東洋経済新報社)

『ふみいいい、ふみいいい』 大先生が意外にも残していたので、それでは私めが、と思っていたら、かぶってしまいました。 そこで、ちょっと前の本だけれど、今読み返したくなって取り出してきたのがこの本。政府が、アベノミクスでもコロナとの「戦争」でも…

凪良ゆう『流浪の月』(東京創元社)

今年度の本屋大賞が4月初旬に発表された。大賞は,凪良ゆう『流浪の月』。 実はこの本,かなり前に購入していた。ただ,読み始めたところあまりにも暗くて重い展開だったため,最初の方で挫折してしまっていた。 今回,大賞を取ったということで,改めて初…