羅貫中『三国志演義』第1巻・第2巻(立間祥介訳,角川ソフィア文庫)

こういう情勢なので書店にはかなり前から行っていないし,そもそも街を出歩いたりすらしていないのだけれど,まあ本だけは読むようにしている。とはいっても新しく買うことはできないので,以前買ったままにしてある本とか,最初の方だけ読んで挫折してしまった本を読むことになる。

というわけで,現在読み進めているのはこちら。羅貫中三国志演義』。故・立間祥介氏による全訳が,昨年,新たに角川ソフィア文庫から全4巻で刊行されたものである。買ってはみたものの,1冊当たり600~700ページというボリュームにおののき,そのままになっていた。

第1巻は,桃園の誓いから官渡の戦いまで。第2巻は,三顧の礼赤壁の戦いと進んで,劉備が蜀に入るまでを描く。

主要人物はいずれもキャラクターがはっきりしており,すがすがしいくらいである。董卓はとんでもなく悪いやつだし,曹操は奸雄だし,劉備は見ていてハラハラするほどお人よしである。呂布はやっぱり,どこへ行っても呂布だなあ。

昔読んだ吉川英治の小説『三国志』は,確かに面白かった。ただ,こうやって原典に当たってみると,いろいろ違いが見えて,なかなか興味深い(貂蝉,自害しないんだな・・・)。立間祥介氏の訳も,羅貫中が直接語り掛けてくる感じがして,趣がある。

三国志演義の舞台は,後漢末の乱世。今の世の中も大変なんだけれど,でも当時は戦乱に次ぐ戦乱で,本当に大変な時代であった。

(PS)誤記を直しました。正しくは「羅貫中」。IMEのせいだ・・・。

三国志演義 1 (角川ソフィア文庫)

三国志演義 1 (角川ソフィア文庫)

  • 作者:羅貫中
  • 発売日: 2019/05/24
  • メディア: 文庫

三国志演義 2 (角川ソフィア文庫)

三国志演義 2 (角川ソフィア文庫)

  • 作者:羅貫中
  • 発売日: 2019/05/24
  • メディア: 文庫

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