2021-04-01から1ヶ月間の記事一覧

ルイス・キャロル『不思議の国のアリス』(河合祥一郎訳・角川文庫)

戸田慧「英米文学者と読む『約束のネバーランド』」(集英社新書)の目次を眺めていたら,「不思議の国のアリス」が出てきた。・・・「ピーター・パン」は分かるが(ネバーランドなので),不思議の国のアリス? ちゃんと通して読んだことがなかったので,こ…

久保田哲『明治十四年の政変』(集英社インターナショナル新書)

そうですか、もう10年経ちますか・・・。読も。 通勤経路から一気に書店が2冊消えてしまった影響はかなり大きく、ふらっと立ち寄って本を手にする日常が奪われてしまった。百万都市・京都ですらこれである。こうして書評を参考にアマゾンや楽天ブックスをポ…

東川篤哉『新 謎解きはディナーのあとで』(小学館)

今年度の本屋大賞は,町田そのこ『52ヘルツのクジラたち』が見事に獲得!おめでとうございます!!「わたしは,あんたの誰にも届かない52ヘルツの声を聴くよ。」・・・届きましたよ。52ヘルツの声が。 ---さて。 あのシリーズが8年ぶりに帰ってきた!…

塚原直樹『カラスをだます』(NHK新書)

カラスは賢いという。目がよくておしゃれで子煩悩で・・・などと、身近な鳥だけにそれなりに聞きかじった知識もある。 著者は大学でカラス研究に出会い、現在は起業して、カラスの鳴き声や模型などを使ってカラスとコミュニケーションすることによって、害を…

伊吹有喜『犬がいた季節』(双葉社)

いつの間にか本屋大賞の発表が来週に迫っていた。ということで駆け込み読書。伊吹有喜『犬がいた季節』。 高校に迷い込んだ一匹の白い犬。この犬を軸とした,連作短編集である。 第1話「めぐる潮の音」から引き込まれた。高校三年生・塩見優花の物語である…

津本陽『小説 渋沢栄一(上・下)』(幻冬舎文庫)

「麒麟ロス」になる暇もなく「青天を衝け」が楽しい。Twitterのスマホ画面からのいろんな人による解説コメントを片手に、NHK大河ドラマでないとできない細部にこだわった作り込みを毎週堪能している。 渋沢翁を主人公とした小説はいろいろとあるが、その中で…

中西嘉宏『ロヒンギャ危機』(中公新書)

前の職場では,年に一度,ミャンマーからの研修生を受け入れていた。僕も「ミンガラーバー(こんにちは)」「チェイズーティンバーデー(ありがとう)」などの基本的な挨拶を覚えたりしながら,コミュニケーションを取った。 そのミャンマーが,今,国軍によ…

Anthony Bryk,Valerie Lee, Peter Holland "Catholic Schools and the Common Good" (Harvard University Press)

4月4日は復活祭。おめでとうございます。ということで、キリスト教関係の本を持ってきました。 本書は、アメリカ教育社会学会賞を受賞した、マルチレベル分析の古典。しかし統計分析だけでなく、アメリカのカトリック学校のフィールド調査にもなっていて、実…