2024-07-01から1ヶ月間の記事一覧

金子玲介『死んだ山田と教室』(講談社)

『吾妻鏡』、実は本屋でぱらぱらと眺めていました。著者は灘の国語の先生なんですよね。世の中、いろんな人がいるな~。ちなみに買ったのは、その隣にあった本。ウミイグアナ、ゾウガメ、フィンチ・・・。 --- またまた、ものすごい新人が現れた。金子玲介『…

西村カリン『フランス人記者、日本の学校に驚く』(大和書房)

大先生による『吾妻鏡』の講評が楽しみです(圧力?)。 パリ五輪開幕。開会式はいろんな意味でフランスやなぁって感じであった。(ちなみに、マリー・アントワネットの「首落ち」芸とか、あれだけ振り回しても消えなかったトーチは、日本産らしい。) とい…

森バジル『ノウイットオール あなただけが知っている』(文藝春秋)

直木賞は一穂ミチさん『ツミデミック』に! おめでとうございます!今回の短編集は完璧でした。 また、選考委員会で『ツミデミック』の他に票が集まったのは、なんと麻布競馬場さんの『令和元年の人生ゲーム』! 惜しくも受賞を逃したとはいえ、デビュー2作…

渡辺将人『台湾のデモクラシー』(中公新書)

大先生、直木賞予想、当たりましたね。 今年の5月、台湾で選挙が行われ、民進党の頼清徳氏が第8代総統に選出される一方で、与党民進党は議会で過半数を得ることはできなかった。実は台湾で民主的な選挙が行われたのは1996年が事実上の始まりであり、国民党独…

森バジル『なんで死体がスタジオに!?』(文藝春秋)

ここ半年ほどの間に読んだエンタメ小説の中では、間違いなくトップクラスの面白さであった。森バジル『なんで死体がスタジオに!?』。 テレビ局の若手プロデューサー・幸良涙花(こうら・るいか)。進退をかけた生放送バラエティ「ゴシップ人狼2024秋」の…

万城目学『六月のぶりぶりぎっちょう』(文藝春秋)

京都では祇園祭が始まり、神輿洗いが行われ、山鉾が立ち並んだ。となると今年もまもなく『宵山万華鏡』の世界が京の街に出現する。 どうでもいいけど、万城目学×森見登美彦×上田誠(ヨーロッパ企画)のお三方がときどき祇園あたりで呑んでいるらしいのだが、…

柚木麻子『あいにくあんたのためじゃない』(新潮社)

オッサンに若い女性が憧憬のまなざしを…っていうのはそろそろ一度リセットした方がいいと思うんですよね。いや、それ以外は本当にいい小説でしたよ。 さて、こちらは柚木麻子さんの直木賞候補作。『あいにくあんたのためじゃない』。 全6話からなる短編集で…

夏川草介『スピノザの診察室』(水鈴社)

保護者さんが来校されたときのこと。「せんせー、差し入れ、どうぞ」「ありがとうございます、どうしたんですか?」「長五郎餅、本に何度も出てきて食べたかったんで買ったんです。おすそわけ」というわけで、京都に半世紀暮らしていながら初めて長五郎餅を…