2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧

モーパッサン『脂肪の塊/ロンドリ姉妹』(太田浩一訳・光文社古典新訳文庫)

フランス文学つながりで,モーパッサンを読むことに。今回は『脂肪の塊/ロンドリ姉妹』。表題作を含めた中・短編集である。 モーパッサン。長編『女の一生』は読んだことがあるけれど,中・短編をまとめて読むのは初めてかもしれない。面白い話,悲しい話,…

ハル・グレガーセン『問いこそが答えだ!』(光文社)

ビブリオバトルが少しずつ学校にも広まってきていて、うちの学年でも今取り組んでおります。あれ、本の内容もさることながら、プレゼンテーション力の問題という気もするんですよね・・・。これについては追々。 さて、今週いちばんおもしろかったのは「Q=…

ヴォルテール『カンディード』(斉藤悦則訳・光文社古典新訳文庫)

『哲学書簡』『寛容論』と読んできたので,次はいよいよこちら。ヴォルテール『カンディード』。 ウェストファリアの純真な青年・カンディード。恩師の「すべては最善である」との教えを何ら疑うことなく生きてきたが・・・。 戦乱,大地震,盗賊,海賊・・…

三浦しをん『マナーはいらない 小説の書きかた講座』(集英社)

毎週木曜日の夜は「プレバト」を録画して、見ている。俳句をはじめ、水彩画、色絵筆画などに、芸能人が本気で取り組んで、先生が評価する、というものだ。そこには先生のお手本や添削があって、違いが一目瞭然となる。なるほど、一流とそうじゃないものとの…

宮沢賢治『新編 銀河鉄道の夜』(新潮文庫)

池澤夏樹個人編集の日本文学全集のリストを眺めていて,ふと宮沢賢治が読みたくなった。ということで宮沢賢治『新編 銀河鉄道の夜』(新潮文庫)。まあ,全集でなくても読めるので・・。 自筆稿や初出誌に立ち戻って本文を定め直し,校訂を最小限にとどめた…

桜井俊彰『長州ファイブ サムライたちの倫敦』(集英社新書)

文久3(1863)年5月、横浜から5人の若き長州藩士が上海に密航した。目的地は彼らが半年前に公使館を焼き討ちしたイギリスである。(のちの)井上馨、伊藤博文、山尾庸三、遠藤謹助、井上勝の5人は、たった300トンの貨物船に揺られて帝都ロンドンにたどりつく…

池澤夏樹=個人編集 日本文学全集13『樋口一葉 たけくらべ/夏目漱石/森鴎外』(河出書房新社)

久々の池澤夏樹個人編集・日本文学全集。今回は『樋口一葉 たけくらべ/夏目漱石/森鴎外』。 樋口一葉は「たけくらべ」,夏目漱石は「三四郎」,森鴎外は「青年」を収録。どれも一度は読んだことがあるが(おそらくまだ自宅に本もある),「たけくらべ」が…

鹿島平和研究所・PHP総研編『日本の新時代ビジョン 「せめぎあいの時代」を生き抜く楕円形社会へ』(PHP新書)

帯に「「変われない日本」をいかに変えるのか?」とあって、その下になかなかおもしろそうな顔ぶれが並んでいたので、購入。基本的に雑誌「Voice」に連載された対話記事を加筆修正したものなので、バスの中で読むにはちょうどいい(目次では3部構成になって…