宮沢賢治『新編 銀河鉄道の夜』(新潮文庫)

池澤夏樹個人編集の日本文学全集のリストを眺めていて,ふと宮沢賢治が読みたくなった。ということで宮沢賢治『新編 銀河鉄道の夜』(新潮文庫)。まあ,全集でなくても読めるので・・。

自筆稿や初出誌に立ち戻って本文を定め直し,校訂を最小限にとどめた新編である。大小様々な短編が収録されている。

その中で取り上げておきたいのは,やはり表題作にもなっている「銀河鉄道の夜」。

繰り返し示唆される「死」の描写。押し葉にされる鳥。パンと角砂糖,そしてミルク。子供のころはちょっと苦手な作品でもあったが,同時に,いつも心のどこかに引っかかっていたような気もする。

車窓からの眺めは,やはり何度読んでも美しい。この美しさは,百年経っても色あせない。

新編 銀河鉄道の夜 (新潮文庫)

新編 銀河鉄道の夜 (新潮文庫)


(ひ)