2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧

瀧本哲史『2020年6月30日にまたここで会おう』(星海社新書)

2012年6月30日、東京大学である講義が行われた。瀧本哲史氏が、29歳以下の若者を集めて、熱く、クールに、激しく、知的に、檄を飛ばしている。科学革命は世代交代によって起きたという現実を前提に、社会を変えるのにバイブルはなく、カリスマの力も必要ない…

池澤夏樹=個人編集 日本文学全集07『枕草子・方丈記・徒然草』(河出書房新社)

ありがとうございます~。 --さて。再び古典である。池澤夏樹=個人編集 日本文学全集07『枕草子・方丈記・徒然草』。 「枕草子」を酒井順子が,「方丈記」を高橋源一郎が,「徒然草」を内田樹が現代語訳を担当。相変わらず,豪華な訳者陣である。 ・枕草…

姫野カオルコ『忍びの滋賀 いつも京都の日陰で』(小学館新書)

大先生~~お仕事ニュース映像拝見。大変なお仕事、がんばってくださいね!! = ラーメン屋に食べに行って、ラーメンが発泡スチロールのお椀で出てきたら、腹が立つ。 居酒屋に飲みに行って、 刺身盛り合わせがヤマザキ春のパン祭の景品の白いお皿で出てき…

馳 星周『少年と犬』(文藝春秋)

今週,直木賞の候補作が以下のとおり発表されました。 ・伊吹有喜『雲を紡ぐ』(文芸春秋)・今村翔吾『じんかん』(講談社)・澤田瞳子『能楽ものがたり 稚児桜』(淡交社)・遠田潤子『銀花の蔵』(新潮社)・馳星周『少年と犬』(文芸春秋) 当ブログで紹…

三浦しをん『星間商事株式会社社史編纂室』(ちくま文庫)

内部告発したらパワハラを受けて資料室に左遷された町職員さんのニュースを見ていると、コメント欄にこの本のことが書いてあったので、気になって購入。 社史編纂室には、課長♂、先輩♂、後輩♀、そして幸代の4人(正確には誰もみたことのない部長♂を入れて5人…

池澤夏樹=個人編集 日本文学全集03『竹取物語・伊勢物語・堤中納言物語・土左日記・更級日記』(河出書房新社)

古典ってすごいな。そう思いながらいろいろ調べているうちに,行き着いたのがこの本。池澤夏樹=個人編集 日本文学全集03『竹取物語・伊勢物語・堤中納言物語・土左日記・更級日記』。 何よりもまず,訳者が豪華。「竹取物語」を森見登美彦が,「伊勢物語…

清水潔『鉄路の果てに』(マガジンハウス)

父が遺した本棚の中に、びっしりと書かれたメモが挟まっていた。 私の軍隊生活 昭和17年5月千葉津田沼鉄道第二聯隊入 昭和17年11月旧朝鮮経由、満州牡丹江入 20年8月、ソ連軍侵攻 紙の隅には小さくこう記されていた。 だまされた そして裏には、日本列島から…

今村翔吾『じんかん』(講談社)

まったく新しい松永久秀の誕生である。今村翔吾『じんかん』。 天正五年。松永久秀が謀反を起こしたとの報が,織田信長に伝えられる。信長は,笑みを浮かべながら,久秀の壮絶な半生を小姓に語り始めた・・・。 戦国の梟雄とされている松永久秀であるが,本…

周防柳『蘇我の娘の古事記』(角川春樹事務所)

蘇我氏がけっこう好きだ。ついでに平氏と足利直義も好きだ。幕末の長州は大嫌いだ。 645年の乙巳の変で、入鹿が討たれる。入鹿の娘は、渡来人の船氏の娘コダマとして育てられる。コダマは光を失うが、義兄のヤマドリはコダマの目となり盾となり、ふたりは立…