伊集院光『名著の話 僕とカフカのひきこもり』(KADOKAWA)

NHK「100分 de 名著」は、ときどき見てはいつも「う~~む」とうなって終わる。名前は知っているけど読んだことない本が、実はこんな本だったんだよ、と導いてもらえるし、読んだことある本が、実はこういう読み方できるんだよ、と教えてもらえる。

そんな番組のMC、伊集院光さんが、収録後あらためて読み直し、さらに講師の先生に補習してもらった、よりすぐりの3冊をまとめたもの。

 カフカ『変身』(川島隆)
 柳田国男遠野物語』(石井正己)
 神谷美恵子『生きがいについて』(若松英輔

知らなかったのだが、伊集院さんは「司会」ではない。たしかに冒頭で彼は「伊集院光です」としか言わない。そして彼は、本を読んできていない。彼は「未読の人」としてスタジオにいる。そして思ったり考えたことを素直に口にする。先生はそれに反応する。

そしてこの本は、190ページの薄い本で、価格も1500円と高くない。
その本に、角川は、カバーと同じエメラルドグリーンのしおりをつけ、表紙はソフトカバーながら、ハードカバーと同じように折り込まれて、丁寧に仕上げられている。

愛、だな。

(こ)