松岡亮二・髙橋史子・中村高康編著『東大生、教育格差を学ぶ』(光文社新書)

 『現場に役立つ教育社会学』という、現場には役に立たない意識高い系の書籍が刊行されたのが、2021年秋のこと。この本をテキストとして、執筆陣によって東京大学で半年間のリレー講義が開講された。その内容を書籍としてまとめたものが、本書である。

 前書についてもそうなのだが、本書にもまた批判的なコメントがつかないのは、私の読み方が悪いのか、教育社会学の世界で本書を批判することがタブーだからなのか。

 

 なお、格差問題について教育社会学からのアプローチを学びたければ、同じ読むなら相澤真一・伊佐夏美・内田良・徳永智子著『これからの教育社会学』(有斐閣)の方がよい。はるかに現場に役に立つ。

(こ)