浅倉秋成『俺ではない炎上』(双葉社)

『六人の嘘つきな大学生』の衝撃からはや1年。また新たな名作ミステリの誕生か!? 浅倉秋成『俺ではない炎上』。

大手ハウスメーカーの営業部長・山縣泰介。バリバリと仕事をしていた彼は、ネット上で突然「女子大生殺害犯」と断じられ、実名や顔写真が一気に広まった――。

物語の序盤から中盤にかけては、比較的オーソドックスな冤罪・逃亡物として話が進む。先行する名作もいくつか頭に浮かぶが、本作はネット社会、SNS社会を絡めているのが目新しい。さて、どうなるか・・・。

・・・と思っていたら、終盤、「えっ!?」「ええっ!?」「ええ~っ!?」と驚きの連続に。脳が激しく混乱する(良い意味で)。いや~、そう来たか!

これ以上書くとネタばれになりそうなので、ここまでにしたい。ただ、二度読み必至の良質ミステリであることに間違いはない。「伏線の狙撃手」との異名もある作者。今回の作品も、素晴らしかったです。

浅倉秋成『俺ではない炎上』


(ひ)