古矢 旬『シリーズ アメリカ合衆国史4 グローバル時代のアメリカ』(岩波新書)

先月,本屋大賞ノミネート作が以下のとおり発表されました。

青山美智子『赤と青とエスキース』(PHP研究所)
知念実希人『硝子の塔の殺人』(実業之日本社
米澤穂信『黒牢城』(KADOKAWA)
小田雅久仁『残月記』(双葉社
一穂ミチ『スモールワールズ』(講談社
朝井リョウ『正欲』(新潮社)
逢坂冬馬『同志少女よ、敵を撃て』(早川書房
町田その子『星を掬う』(中央公論新社
西加奈子『夜が明ける』(新潮社)
浅倉秋成『六人の嘘つきな大学生』(KADOKAWA)

せんせいお薦めの作品も含め,当ブログで紹介した作品のうち5作がノミネート入り!おお!

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少しずつ読み進めていた岩波新書「シリーズ アメリカ合衆国史」も,ようやく最終巻まで来た。古矢旬『グローバル時代のアメリカ』。

本書では,1970年代から2020年までのアメリカ現代史を描いている。

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古矢 旬『シリーズ アメリカ合衆国史4 グローバル時代のアメリカ』

グローバル化が著しく進んだ現代。アメリカ史は,まさに世界史と密接にリンクしている。唯一の超大国となったこの国の動向が,良くも悪くも世界を大きく動かす。

本書の最終章で描かれているのは,オバマとトランプという,2人の「アウトサイダー」である。本書はいう。「彼らの選出はアメリカ政治史の常識を根本から覆す結果であったといって過言ではない。」(234頁)。その上で,なぜこの2人が選出され,その結果,超大国アメリカはどうなったのか,本書は丁寧に説明している。

歴史を知らなければ,現在を知ることはできない。現在のバイデン政権下のアメリカは,後世,どのような歴史として評価されるのだろうか。

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岩波新書「シリーズ アメリカ合衆国史」全4巻


(ひ)