岩田慎平『北条義時』(中公新書)

せんせいのお薦めに心惹かれ,『塞王の楯』を読み始めてしまった。
おもしろい! そして,分厚い!
直木賞発表までに読み終えられるか・・・。

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さて。

大河ドラマの主人公が北条義時なのだけれど,実はよく知らない。どういう生涯を送った人なのか,本当によく知らない。そこでちょっと勉強。岩田慎平『北条義時』。

この時期,名だたる研究者の方々がいろんな入門書を出しているけれど,まあ迷ったときの中公新書ということで読んでみた。

「はじめに」にも書かれているが,武家政権における二代目というのは,初代と三代目との間に挟まれて,どうしても影が薄くなる。源頼家しかり,足利義詮しかり,徳川秀忠しかり。北条家も,時政(初代)や泰時(三代目)に比べると,義時(二代目)というのはやはり影が薄い。

本書は,そのような義時の生涯を「吾妻鏡」などの史料を参照しながらまとめたものであり,いわば義時の評伝ともいうべきものである。

・・・というか,とにかく登場人物が多い。この時代,これだけの人が歴史の表舞台に立ち,そしてその多くが消えていったのだなあ,と感慨深くなる。

義時の生きた時代だけでなく,保元の乱の頃から義時の死後に至るまでの動乱を,丹念に描き出した力作でもある。おもしろかったのと,あと頭の整理のため,結局2回読んだ。

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岩田慎平『北条義時


(ひ)