津原泰水『ヒッキーヒッキーシェイク』(ハヤカワ文庫JA)

 津原やすみ、という作家さんはこれまで読んだことがなかったのだが、幻冬舎の見城社長とのtwitter上での泥仕合を観戦して、それなら読んでみようかな、と逆炎上商法に乗っかってみた。

 たしかに幻冬舎からハードカバーで出したら1,800冊しか売れなかったのも納得。これはやっぱりハヤカワか創元社あたりから文庫で出さなくちゃ(そもそも「ヒッピーヒッピーシェイク」を知らないので、そのあたりのおもしろさもわからなかったし)。

 主人公は4人の「引きこもり」=ヒッキーたち。ライトノベルかなって感じの書き出しで、登場人物の名前もややこしくて、生理的に受け付けなかったのだけれど、バラバラだった前半のパーツが後半に合体ロボットみたいに巨大化して、一気にクライマックスへとなだれ込むあたりは、けっこう圧巻。前半我慢したご褒美というところだろうか。ヒッキーたちの未来に幸あれ!

 で、売れたのかな。 

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ヒッキーヒッキーシェイク (ハヤカワ文庫JA)
 

 (こ)