2025-07-01から1ヶ月間の記事一覧
本書はこの一文から始まる。 「ああ、頭に血が上る。」 官民連携事業を請け負った企業の社長が、誰も知らない小さな自治体の無知な地方議会が俺たちの言うことを聞くのは当然のことだ、と本音を言い放つシーンが続く。 福島県のある小さな自治体が、国の補助…
光文社古典新訳文庫版のルソー『エミール』。第2巻は原著の第4編を収録している。エミールは思春期に差し掛かる。 「この地上で、人生はじつにすばやく過ぎていく。」 冒頭からエンジン全開である。「われわれは、いわば二度生まれる。…まず人間として生ま…
祇園祭のいちばん大きなイベントは、7月17日の神幸祭(神様が御神輿に乗って街に下りてくる)と24日の還幸祭(神様が御神輿に乗って八坂神社に帰っていく)。そして、その前座としての前祭と後祭の山鉾巡行があって、どちらの巡行も無事に終わって、ほっと一…
実はスタジオジブリの作品ってそんなに見ていない。最後に見たのは「もののけ姫」で、これ以降の作品は「千と千尋」も「ハウル」も「ポニョ」も「君たちはどう生きるか」も含めて全く見ていない。 そんな中で、心に残っている作品もある。「海がきこえる」で…
正直言って、夏の甲子園が苦手である。高校生に昭和のおじさんたちの理想とノスタルジーを背負わせて感動ものに仕立て上げるあの虚構が、気持ち悪くてしかたない。 あ、野球は大好きです。 その壮大な仕掛けを支える助演俳優たちが、アルプススタンドの応援…
ソ連崩壊から現在に至るまでのロシアの政治について、ここまで精緻に紹介した本はこれまでなかったのではないか。鳥飼将雅『ロシア政治』。 2022年2月、ロシアがウクライナへの全面的な侵攻を開始した。大方の予想に反し、3年を経過した現時点でも戦争…
四条通に鉾が立ち始めました。例年になく暑い祇園祭です。もう、Tシャツ短パンビーチサンダルで巡行しはなれ・・・。 とくにテーマがあるわけでもない短編集。1本が書き下ろしで、残りの4本の中には、20年前の作品もある。 1本だけ、あれ、これ、ほんまに伊…
名前は知っていて、大体何が書かれているかも知っているけれど、読んだことのない本がある。ルソー『エミール』もその一つで、いつかは読まないと…と思っていたところ、新訳が出たので読んでみた。 『エミール』。ルソーが著した教育論についての著書である…
どこで聞いたのだか忘れたのだけれど、へえ、おもしろそう、と思って、ぽちっと押して手に入れた本。いやぁ、みなさんがこれにはまるのは、わかります。 こういう理系の科学者による自分の体験や経験を振り返りながら研究紹介するという本はけっこうあるけれ…