2025-06-01から1ヶ月間の記事一覧
これも今回の直木賞候補作。塩田武士『踊りつかれて』。 伝説の歌姫・奥田美月とお笑い芸人・天童ショージ。週刊誌の記事やSNSでの猛烈なバッシングによって社会から「抹殺」された。後日、「踊りつかれて」と題されたブログサイトに「宣戦布告」と称する…
ほんとに、偶然に次ぐ偶然! 今、世界でどんどん格差が拡大し、新しい階級社会の時代に突入したという論調は、おそらく定着したと考えてもよいだろう。それを「新しい封建社会」と呼ぶこともめずらしくはなくなった。階級格差が固定化し、一握りの寡頭支配者…
軽い気持ちで見に行った映画『リライト』が、めちゃめちゃ面白かった。 法条遥の原作小説をもとに、ヨーロッパ企画・上田誠が脚本を書き、松居大悟監督の手で実写化された本作。 瀬戸内の街を舞台にした青春映画――と見せかけて(実際そういう面もあるのだけ…
映画「国宝」見てきました。いや~、すごかった。鳥肌立った。役者が役者を演じるという入れ子構造なんだけど、吉沢亮×横浜流星、ふたりとも伊達に大河の主演張ってない。二人道成寺、そして吉沢版曽根崎心中と横浜版曽根崎心中、どちらも見事。そして脇を固…
先週の逸木裕『五つの季節に探偵は』が結構良かったので、続編を買おうと思って巨大書店に行ったところ、あいにく売り切れていた。他になんか軽めのミステリはないか・・・と思って買ったのがこちら。潮谷 験『名探偵再び』。 全寮制の女子高校に入学した時…
鎌倉時代の岩手県にタイムスリップしてしまった高校生のヒロ。僧としてなんとか生きることにして、とりあえず日記を現代語で書いている。ある日、一遍という男と彼と行動をともにする不思議な集団がやってきた。彼らは自分たちを「時衆」と呼んでいる。 彼ら…
柔らかめのミステリが読みたくなって、この本を手に取った。逸木 裕『五つの季節に探偵は』。 私立探偵を父に持つ女性・みどりを主人公にした、連作短編集である。 日常のちょっとした謎や事件を主人公が解決する、という構成自体はオーソドックスなのだけれ…
ちょっといつもの読書日記ではないので、最初にお断りしておきます。ごめんなさい。 今年の4月に京都ノートルダム女子大学が今年度限りでの募集停止を突然発表したことは、かなりショックなできごとであった。ノートルダム女子大が定員を割ったのはコロナ期…