映画「侍タイムスリッパー」。8月にたった1館で公開されたこの自主製作映画がじわじわと動員数を上げ、ついに先週、週末観客動員数トップ10にランクイン(7位)! 快挙です!
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読み終えて数日が経過したのに、まだ余韻から抜け出せないでいる。三秋 縋『さくらのまち』。
マッチングアプリの「サクラ」をしている尾上。一本の電話を契機に、彼は生まれ故郷に舞い戻る。そこで彼は――。
人々が「手錠」とも呼ばれるブレスレット型のデバイスを装着して生活する世界。「プロンプター」と呼ばれる役割を与えられた人々。本作はそのような微量のSF要素を伴いながら、主人公・尾上の苦悩にも近い心情を描き出す。
人は果たして、正しく理解し合えるのか。
重いテーマ、そして暗いストーリー。ミステリのようでもあり、また青春小説のようでもあるこの小説には、不思議と人を惹きつける力がある。
読後感を共有したくなり、Amazonのレビューを見に行った。人それぞれの解釈、そして感想に刺激を受ける。こんな小説、なかなかない。
(ひ)