今週,第162回直木賞の候補作が以下のとおり発表されました。
・小川哲『噓と正典』(早川書房)
・川越宗一『熱源』(文藝春秋)
・呉勝浩『スワン』(KADOKAWA)
・誉田哲也『背中の蜘蛛』(双葉社)
・湊かなえ『落日』(角川春樹事務所)
当ブログでも紹介した川越宗一『熱源』が,デビュー2作目で候補作入り! おめでとうございます!
・・・しかし,このラインナップは何なんでしょうね。湊かなえさんだけが4回目で,後は全員,初ノミネートという・・。
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さて。
今年のミステリの読み納めはこちら。相沢沙呼『medium 霊媒探偵城塚翡翠』。
推理作家の香月史郎は,碧玉色の目の女性・城塚翡翠と出逢う。彼女は霊媒であり,死者の言葉を伝えることができるという。しかし,そこには証拠能力はなく,香月は論理の力を組み合わせて,事件に立ち向かう・・・。
読みながら想像はしていたものの,その少し斜め上を行く展開には思わず引き込まれた。好き嫌いが分かれる作品だとは思うけれど,僕にとっては良い作品でした。年末恒例のミステリランキング「このミス」と「本格ミステリ・ベスト10」の双方で1位を獲得したというのも,納得。
表紙イラストは,先週の『荒城に白百合ありて』に引き続き,遠田志帆さん。本作品の内容と完全にシンクロしていて,いい表紙です。
(ひ)