城塚翡翠，今度は倒叙ミステリで登場。相沢沙呼『invert 城塚翡翠倒叙集』。
終盤の展開があまりにも鮮やかだった前作『medium 霊媒探偵城塚翡翠』。本作はその続編であり，今回はなんと倒叙ミステリ集である。当初から犯人及び犯行が明かされ，それを探偵役が追い詰めていく・・・という，刑事コロンボとか古畑任三郎とかでおなじみのあれである。
これがまた，主人公・城塚翡翠のキャラにぴったりはまる。
本書には３編の作品がおさめられている。ＩＴエンジニアの犯行，小学校教師の犯罪・・・そして「あなたは探偵の推理を推理することができますか？」との問いかけ。要所要所に，コロンボや古畑へのオマージュ（お約束，とも）が見て取れるのがうれしい。
３編目の後半，城塚翡翠が「推理小説」とは何かについて語り始める。ほほう，なるほど，などとと思っていたら・・・これもまた，ねえ。
今回も鮮やかな展開でした。いやあ，そう来るかあ・・。
（ひ）
