宿野かほる『ルビンの壺が割れた』(新潮文庫)

 書店のポップが「大どんでん返し」を猛烈にアピールしていたので、どんなものかと買ってみた。

 かつて婚約していた未帆子と一馬が、30年の時を超えてフェイスブックで再会する物語。一馬は大学の演劇サークルの代表で天才的な脚本家、未帆子は新人女優だった。恋に落ちた二人は婚約するが、結婚式当日、未帆子は式場に現れなかった。
 往復書簡の形で物語は展開する。ふたりの思いが少しずつメールに込められていくようすは、宮本輝の『錦繍』みたいだ。

 文庫本170ページ。行きの通勤電車で読み始めて、家に着くころ読み終わるでしょう。

 なるほど。 

 (こ)