今,仕事がめちゃめちゃ忙しいっ!
忙しい時には漫画!
ということで,先月に引き続き,コミック4選!!
・山田鐘人=アベツカサ『葬送のフリーレン』(小学館)
魔王を倒した勇者一行の「その後」を描く,魔法使いのエルフ・フリーレンを主人公とした物語。最近あちこちで話題の作品でもある。
静謐,という言葉がよく合う。死を悼み,死者を想う。時々差し挟まれる回想シーンが,心を打つ。
ストーリーが良い。一話一話,じっくりとした味わい。そしてまた,作画が良い。
個人的にはカラーイラストがとても気に入っている。最新刊の第4巻の表紙と裏表紙なんかは,いつまでも眺めていたいくらいである。
地方の病院で働く産婦人科医・ゴロー。ある日,彼のところに「推し」のアイドル・星野アイがお忍びで訪れた。彼女は双子を宿していて・・・。
芸能界を舞台にした作品である。
なるほどそういう設定の話か~,などと思いながら読み進めていたところ,第1巻の終盤で,まさかの展開に!
いやぁ,驚きました。言われてみれば確かに,そういう空気感はただよっていたが・・。
最新刊の第3巻は,恋愛リアリティショー番組が舞台。これもまた,終盤の展開にびっくり。
・熊倉献『ブランクスペース』(小学館)
ある雨の日,女子高生の狛江ショーコは,同級生の片桐スイの「不思議な能力」に気づく。スイは,見えない物を作り出すことができて・・・。
漫画にも「大衆文学」と「純文学」とがあるのなら,これは「純文学」の方に入るのだろう。シンプルだけど的確な描線。少しふしぎな物語。そして,ざらりと描かれる人の悪意・・・。表紙のデザインもちょっととがっていて,他の作品とは一線を画している。
読了後も,なぜか心の隅に残ってしまう。そんな作品である。
第1巻のラストは,これまた先が読めない終わり方になっている。続きが気になる。
- 作者:熊倉 献
- 発売日: 2021/01/15
- メディア: コミック
・松岡健太『左手のための二重奏』(講談社)
不良中学生・シュウは,同じ中学の天才ピアニスト・灯(あかり)と心を通わせるが,その直後,灯はシュウの目の前で亡くなってしまう。絶望するシュウの左手に,なんと,灯の魂が宿って・・・。「不良の右手」と「天才の左手」が,今,ピアノに向かう!
ピアノを題材にした作品であるが,ファンタジーとリアリティの絶妙なバランスがとても良い。そんな話あり得ないだろうと思われかねないラインをギリギリ攻めている。登場人物が,また,いずれもアツい。
「怖いんだ…また一人で戦うのが」
「俺が御影さんの壁をぶち壊すピアノを弾く!」
「二人の音を聴かせよう!」
最新刊の第3巻でも,熱量は変わらない。
- 作者:松岡 健太
- 発売日: 2021/01/15
- メディア: コミック
(ひ)