再び,コミック5選

好評(!?)につき,コミック5選・第2弾!
最近読んだ中から5つの作品をピックアップ!

 

遠藤達哉「SPY×FAMILY」第5巻(ジャンプコミックス

のっけから超メジャー作で申し訳ないが,でも面白くて仕方がないので紹介します。

東西冷戦時代。凄腕スパイの〈黄昏(たそがれ)〉は,名門校潜入のために仮の家族を作るよう命じられる。そこで出会った「娘」はエスパー,「妻」は暗殺者! しかも互いに正体を隠していて・・・。

基本的にはコメディだが,シリアス要素もあり,また感動要素もあったりする。キャラクターの造形も秀逸。中でも「娘」のアーニャがとにかく良い。見ているだけで楽しい。

第4巻は長めの話ということもあり,ややシリアスに振れていたが,最新刊の第5巻ではコメディ路線が復活。新キャラ〈夜帷(とばり)〉も登場し,ますます目が離せません。

SPY×FAMILY 5 (ジャンプコミックス)

SPY×FAMILY 5 (ジャンプコミックス)

  • 作者:遠藤 達哉
  • 発売日: 2020/09/04
  • メディア: コミック


ゆうきまさみ『新九郎、奔る!』第5巻(ビッグコミックススペシャル)

伊勢新九郎北条早雲)の若き日々を描いた物語。

文正元年(1466年)。伊勢盛定の子・新九郎は,伯父の室町幕府政所執事伊勢貞親の屋敷で暮らすこととなった。幕府では当時,将軍の跡継ぎ問題をはじめとする権力争いが勃発し・・。

本作品は,応仁の乱の時期における京都,そして地方の様子を,一少年である伊勢新九郎の目線から描いた作品でもある。勃発的に始まり,正義も悪もなく,英雄もいないままずぶずぶと続いた戦乱。呉座勇一が『応仁の乱』で著した世界が,目の前に広がる。

第4巻からは,荏原(岡山県井原市)を舞台とする「領地経営編」に入った。父・盛定の名代で領地に入った新九郎だが,そもそも盛定はずっと京にいた不在領主(室町時代にありがち・・)。新九郎の奮闘は,いかに。

登場人物がとにかく多いが,伊勢家の者だけでも人物関係図(家系図)を作っておけばOK。様々な人の,様々な思惑が入り乱れる本作品をより深く楽しめる。


佐々大河『ふしぎの国のバード』第7巻(ハルタコミックス)

明治初頭,東京から蝦夷(北海道)までを旅した英国人女性のイザベラ・バード。本作はその旅を描いた作品である。

今から100年以上の日本。風習,習俗,衛生観念など,現代の僕らからしてもまさに「ふしぎの国」。イザベラ・バードは,通訳のイト(伊藤鶴吉)とともに,日本の奥深くへの旅を続ける。

最新刊の第7巻では秋田に到着。これまでの旅で出会ったあの人,この人も久々に登場。いやあ,懐かしい。

第1巻の刊行当時(2015年)からずっと読み続けている。最近は1年に1冊ずつの刊行ペースになってきているけれど,その分,1巻1巻がいとおしく感じられる。バードの旅は,まだまだ続く。

ふしぎの国のバード 7巻 (ハルタコミックス)

ふしぎの国のバード 7巻 (ハルタコミックス)

  • 作者:佐々 大河
  • 発売日: 2020/08/12
  • メディア: コミック


・(原作)河本ほむら(作画)木綿八十子『リーガルエッグ』第1巻(イブニングKC)

裁判官・検察官・弁護士になるためには,司法試験合格後,約1年間の司法修習――すなわち「民事裁判」「刑事裁判」「検察」「弁護」の実務修習と,司法研修所での集合修習を受けなければならない。『リーガルエッグ』は,その司法修習生を主人公にした作品である(これまでそんな作品,なかったのでは。)。

第1巻では検察修習が開始。万引き,窃盗などといった事件を前に,司法修習生・筒松誠は悩みながらも成長していく。

指導担当の佐藤静流検事のキャラが良い。口元は常に笑みを浮かべ,でも目は笑っておらず,それでいて修習生との会話をどこか楽しんでいるようでもある。

いよいよ・・というところで第1巻が終わってしまった。第2巻,楽しみである。

リーガルエッグ(1) (イブニングKC)

リーガルエッグ(1) (イブニングKC)


藤原カムイ(原作:上橋菜穂子)『精霊の守り人』全3巻(ガンガンコミックス)

最後はこちら。小説を読み終えた勢いで,コミックスにも手を出した。藤原カムイによるコミカライズ版である。

原作での世界観が,そのまま「絵」になっている。ああ,バルサたちが見ていた景色は,こんな感じだったんだな・・・。

再び,「精霊の守り人」の世界に浸ることができた。

精霊の守り人 1巻 (ガンガンコミックス)

精霊の守り人 1巻 (ガンガンコミックス)


(ひ)