千正康裕『官邸は今日も間違える』(新潮新書)

大先生、3年間、おつかれさまでした!

 

退院したら、時間がなさすぎて本が読めない。

岩波新書の『検証 政治改革』がけっこうおもしろかった。30年間の日本政治史でもあり、政治改革を進めるにつれて、その弊害ともいうべき、官邸への権力の集中、野党の弱体化、忖度する官僚、国会審議の軽視、メディアの権力監視機能の喪失、などが起きてきた。それを克服するための「新・政治改革」が必要だ、というものだ。

で、それに関連して、元厚労官僚の千正氏の本を手にした。
コロナ対策をめぐる一連の政策が、国民のニーズからずれてしまったのはなぜか。なぜアベノマスクが配られたのか、なぜCOCOAがうなくいかなかったのか、などについて、政治主導あるいは小選挙区制によって有権者の声と支持率に過敏になった政治家が官僚に求める内容が変化し、従来の日本の官僚制度と齟齬を来し、さらに中間団体の弱体化によって日本の政治過程そのものが変容した、などの説明が、具体的な事例をともなって説明される。

どうすれば、という点についてはちょっと弱い気がするが、ともあれ、このままではまずいことはよくわかる。

で、どないせっちゅうねん、というところであって、そうこうしている間に、夏の参院選、そしておそらくその後にやってくる憲法改正の議論に向けて、政治家たちは動き出す。

ほんまに、どないせっちゅうねん。

(こ)