川添 愛『言語学バーリ・トゥード』(東京大学出版会)

『元彼の遺言状』が来年4月から月9でドラマ化されるとの報道があった。主演は綾瀬はるか。・・・っていうか,ドラマ化されるの早くない!?

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さて。

金水 敏『ヴァーチャル日本語 役割語の謎』が面白かったので,他に言語学の本で面白そうなものはないかと探したところ,新刊でこんな本があった。川添 愛『言語学バーリ・トゥード』。

言語学者の著者が月刊誌に掲載していたエッセイを,1冊の本にまとめたものである。

人はなぜユーミンの名曲を「恋人『は』サンタクロース」と勘違いしてしまうのか。AIは「絶対に押すなよ」を理解できるのか。そもそも言語学とはどのような学問か――などなど,言語学をネタにしたテーマが語りつくされる。

特筆すべきはその文体。とにかく,ユーモアにあふれている・・というかギャグばかりである。しかもピンポイントで僕ら世代に向けたネタばかり。若い人たちはついてこれないのではないか,などと余計な心配をしてしまうが,でも結構売れているらしいので大丈夫なのだろう(書店でも1Fで平積みになっていた。)。

発行しているのは大学の出版部門。こういうくだけた本も出すようになったんだ・・と少し感慨深い。

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川添 愛『言語学バーリ・トゥード』


(ひ)