進撃のコミック4選

進撃の巨人』完結記念! 久々のコミック4選!!


・原作:白井カイウ/作画:出水ぽすか約束のネバーランド』(集英社

完結といえば『約束のネバーランド』。考察本は以前取り上げたけれど,本編がまだだったので,この際紹介します。

活発な少女・エマ。知略に優れる少年・ノーマン。どこかクールな少年・レイ。3人は他の少年少女たちとともに孤児院「グレイス=フィールド・ハウス」で幸せな毎日を送っていたが・・・。

前も書いたとおり,とにかく「週刊少年ジャンプ」らしくない作品である。主人公は女の子。敵を力で「倒す」のではなく,知略をもって「脱出」する。恋愛感情とはまた別の,エマ・ノーマン・レイの関係性。他方で,ジャンプの伝統である「友情」「努力」「勝利」はしっかりと織り込まれている。

最終巻の第20巻は,とにかくよかった。いい物語に出会えた。


・和山やま『女の園の星』(祥伝社

女子高の日常を舞台としたコメディタッチの作品。主人公は男性教師の「星先生」。なのでタイトルは『女の園の星』。

女性向けの作品だと思っていたのでこれまで読んでいなかったが,正直,もっと早く読めばよかった。いやこれ,本当に面白い。

大爆笑ではなく「ふふふっ(笑)」という感じの作品。でもいつの間にか,やっぱり大爆笑している。

個人的には倫理担当の中村先生がお気に入り(出番はすごく少ない…)。こんな先生,絶対にいないだろうと思いつつ,でもひょっとしたらどこかにいるかもしれない,などとも思ってしまう。中村先生の心の平穏を祈りたい。

現在,2巻まで刊行中。3巻は,まだか。


・魚豊『チ。―地球の運動について―』(小学館

天動説が支配する15世紀ヨーロッパ。異端思想は直ちに弾圧される。その中で,青年・ラファウはある「真理」を知ってしまう・・・。

地動説をめぐる物語である。「知」を,そして「真理」を追い求める人たちを描いたドラマ,といっていいかもしれない。どのような逆境にあろうと,またどのような弾圧を受けようと,主人公たちにとって「真理」は美しい。

作者のインタビューによると,史実ではそこまで迫害されていなかったようであり,感覚としては「歴史ものではない」そうである(「CUT」3月号)。とはいえ真理の追求というのは普遍的なテーマ。本作品はこのような主題を中心に据えた,意欲作である。

第1巻のラストは衝撃的。でも,物語はどんどん続きます。


諫山 創進撃の巨人』(講談社

「その日,人類は思い出した。ヤツらに支配されていた恐怖を――」

長い長い物語が,今,終わった。

これまで全く見たことのないストーリー。意表を突く展開。複雑な時系列。数々の伏線。登場人物ごとに用意されたドラマ。

人類はなぜ,憎しみ合うのか。なぜ戦争をするのか。なぜ出自によって差別し,なぜ民族間の紛争が絶えないのか――。重いテーマを投げかけながらも,他方でエンタメとしての面白さも損なわず,きっちり両立させた。

11年半,お疲れさまでした。


(ひ)