町田康『口訳古事記』(講談社)

「世の中ってのはどうやってできているのか、考えてみたとき、神さんがつくらはったと思ったら、けっこう楽しいんやわ」
「そやな」
「で、日本の神さんがどんな神さんやったかっていうと、はっきり言うてサイコパスなんやわ」
「そうなんや」
「そもそもやな、神さんどうしがてきとうなこと相談して、うまいこといかんかったら、こ○すぞとかそんなことばっかり言うたはる」
「ふうん」
「それが神さんの話のええとこなんやな」

・・・とまぁ、とにかくこの国の神さんたちが勢揃いして、関西弁をまくし立てながら、国が産まれ、天つ神と国つ神が衝突し、最後にはこの大八洲がヤマトによって統一される。


以前ここで『蘇我の娘の古事記(ふることぶみ)』を紹介したけれど、あのときのしっとりとした読後感とは180度真逆の、パンクな世界。
大先生が『ギケイキ』を紹介されていたけれど、ここでもキレキレの町田節、健在。

(こ)