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源氏物語を読みふけっている間、直木賞候補作の発表があった。
なんと万城目学さんが6回目の候補入り。9年ぶりとのこと。これは読まねば。
『八月の御所グラウンド』。2作の短中編からなる本である。
1作目は「十二月の都大路上下ル」。「上下ル」と書いて「かける」と読む。京都の冬の風物詩・高校駅伝を描いた作品である(偶然にも本日この後スタートだ)。方向音痴の女子高生が、都大路を疾走する。
そして2作目は表題作でもある「八月の御所グラウンド」。
野球の試合に駆り出された大学生の「俺」。8月の京都、朝6時の御所グラウンド。軽妙な語り口で物語は進む。・・・が、
・・おおっ!
・・こういうストーリーか。
意外な展開に思わず声が出た。これは確かに、ノミネートされるよね。
あとは直木賞選考委員の心にどう刺さるか。
選考会は来年1月17日である。
(ひ)