竹田ダニエル『#Z世代的価値観』(講談社)

竹田ダニエルという初めて名前を聞く人の『世界と私のAtoZ』という表紙がやけに目立つ本が出版されたのが去年の今頃だった。書評も出ていたので、版を重ねていったので、どんなものかと取り寄せてみた。
正直いうと、聞いたことのないアメリカの音楽や映画やアプリの話がずっと続いていたので、こういうアメリカの文化評論なんだな、ということで途中で匙を投げた。

このたび、表紙を見ただけでそれとわかる続編が、たまたま入った大学生協の店頭に平積みになっていた。ああ、出たのね、と手に取って、ページを開く。

「はじめに」で、日本とアメリカのZ世代の違いについての解題があった。
ポスト9.11のなんとなく物騒な世の中で育ち、人種・ジェンダーセクシュアリティの多様性を持ち、団結力も影響力も大きい。
日本で消費される世代論が、世代間のダイナミクスや歴史を抜きにしたふわりとした「特徴」によってとらえられるため、実は「若者」の言い換えに過ぎないただのバズワードにしかならないのに対し、10~15年のスパンで定義される生まれた世代と影響を受けた社会背景でくくられるアメリカの世代システムを浮かび上がらせるのが、本書の狙いである、という。

 

なるほど、と納得して、この本を買って、続きを読んだ。

やっぱり、わからんかった。日本のZ世代はアメリカのミレニアム世代に近い存在なんだろうと思った。
でも、次の世代は、おじさんが理解できないほどに、たくましく、頼もしいことはわかった。

(こ)