宮島未奈『成瀬は天下を取りにいく』(新潮社)

この本、とにかくおもしろい!! 宮島未奈『成瀬は天下を取りにいく』。

滋賀県大津市を舞台にした連作短編集である。

全ての話に共通して登場するのは、強烈なキャラの持ち主の少女・成瀬。第1話の「ありがとう西武大津店」と第2話「膳所から来ました」からして最高である。幼馴染の島崎との掛け合いは、いつまでもずっと見続けていたいくらいである。

その後も様々な登場人物からの視点で話が進む。最終話「ときめき江州音頭」ではついに・・・。

成瀬の突き抜けたキャラクターと、想像のナナメ上を行く展開、そしてテンポの良い文体。どんなに落ち込んでいたとしても、これを読めば前向きになれる。万人にお薦めできる小説といっても過言ではない。いや本当に。

宮島未奈『成瀬は天下を取りにいく』(新潮社)


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