辻村深月『ツナグ 想い人の心得』(新潮社)

死者との再会をテーマにした連作短編集『ツナグ』に,何と続編が出た。辻村深月『ツナグ 想い人の心得』。
 
舞台は前作から7年後の世界。一生に一度だけ,死者との再会をかなえる「使者(ツナグ)」。今回もまた,様々な依頼人が「使者」の元を訪れる・・・。
 
辻村深月は稀代のストーリーテラーであると同時に,優れたミステリ作家である,と僕は思っている。『ツナグ』シリーズはもちろん純粋なミステリではないが,ミステリ要素が各所にちりばめられていて,単なる「ちょっと良い話」にとどまらない,読み応えのある作品に仕上がっている。
 
個人的には,僕が前作で少し気になっていた少女の「その後」が出てくる第1話「プロポーズの心得」と,ど真ん中ストレートの勝負球ともいうべき第3話「母の心得」が心に響いた。
 
基本的な設定や登場人物は前作を引き継いでいるので,前作から読むのがお勧め。僕も前作を軽く復習してから読みました。
 
ツナグ 想い人の心得

ツナグ 想い人の心得

  • 作者:辻村 深月
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2019/10/18
  • メディア: 単行本
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