こんな状況なので,軽く読めるコミックでも。最近読んだ中から5選。
・施川ユウキ『バーナード嬢曰く。』第5巻(REXコミックス)
本をテーマに,4人の高校生がとりとめもなく雑談する,ただそれだけの話。
これが,面白い。
・・・のだが,刊行ペースがとても遅い。だいたい2年に1冊くらい。今回,ようやく第5巻が出た(ちょうど外出自粛の頃だったので,しばらく気付かなかった)。
いつものような日常。いつものような雑談。今の世の中,これだけでもありがたい。
最後の方に,現在のコロナ禍を示唆するような話があり,そして「あとがき」ではコロナ禍での生活が語られている。僕の知る限り,コミックでコロナに触れた作品は,これが初めてではなかろうか。
- 作者:施川 ユウキ
- 発売日: 2020/04/28
- メディア: コミック
・浅見理都『イチケイのカラス』第2巻(モーニングKC)
竹野内豊が10年ぶりに「月9ドラマ」に主演する,というニュースが流れてきた(後追い記事がないので本当かどうか分からないのだけれど)。『イチケイのカラス』を原作としたドラマだという。
『イチケイのカラス』。刑事裁判官を主人公にした異色の作品である。第1巻は読んでいたのだけれど,正直,微妙だなぁと思って(ごめんなさい・・・),そのままになっていた。
今回,第2巻を読んでみた。
第1巻とは違って(再びごめんなさい・・・),読み応えのある作品になっている。
事件を軸に,話がしっかりと書き込まれている。また,時々差し挟まれる小ネタも面白い。後半に出てくるクレプトマニアの妻とその夫の会話も秀逸。とにかく,細かいところまで行き届いている作品である。
残念なのは,現在,第3巻が入手困難なこと(第4巻は入手できた)。まあ,ドラマ化が正式に決まれば再版するだろうから,その時まで待つかぁ。
- 作者:浅見 理都
- 発売日: 2018/12/21
- メディア: コミック
・・・という一発ネタだけの作品かと思いきや,意外にもしっかりとした正統派の物語で,第1巻のラストと巻末の次回予告の盛り上げ方はハンパなかった。
そして,満を持しての第2巻の発売。物語はさらに深まる。混沌とした世界の中で,太宰治は・・・!
過去には佐藤友哉の『転生!太宰治』という小説もあった。太宰治,ラノベやコミックとの親和性が高いらしい。
・武富智=辻村深月『かがみの孤城』第2巻(ヤングジャンプコミックス)
このブログで何度も取り上げている『かがみの孤城』。コミックの第2巻がようやく出た。話は序盤から中盤へ。
コミカライズするに当たって「どうやって表現するんだろ?」と思っていたあの登場人物,堂々と登場。・・漫画,奥が深い。
何度も読んでいて,ストーリーも分かっているのに,それでも先が読みたいと思わせる作品である。第3巻は来年発売とのこと。今から待ち遠しい。
- 作者:武富 智
- 発売日: 2020/07/17
- メディア: コミック
最後は,ちょっと前に読んだ作品。恩田陸の『蜜蜂と遠雷』のコミカライズ版である。
漫画化するならこの絵柄しかない!と思わせる,説得力のある作品。フォントや紙質も含めて,原作の世界観にぴったりである。
もともとはウェブサイト(コミックブースト)での連載作品なのだけれど,残念なことに昨年9月を最後に更新が止まっている。う~む,続きが読みたい!
(ひ)