辻堂ゆめ『あの日の交換日記』(中央公論新社)

交換日記をテーマにした,珠玉の7編。辻堂ゆめ『あの日の交換日記』。

つばめが丘総合病院に入院中の小学4年生・愛美(まなみ)。病室に訪問してくれる先生との間で,交換日記を始めてみた・・・(第1話「入院患者と見舞客」)。

どの話もいとおしい。しかも,ただ単に「いい話」というだけでなく,ほんの少し,ミステリ要素も含まれている。特に第4話「母と息子」は,そうだったのか!と意表を突かれた(ストーリー的にも心打たれた)。第6話「上司と部下」も,最終話前の変化球的な話で,面白かった。

で,最終話(第7話)の「夫と妻」。これが,もう・・・ね。

感動要素とミステリ要素との絶妙なバランス。改めて冒頭からパラパラと見直しているのだけれど,本当にいい作品ですよ。

あの日の交換日記 (単行本)

あの日の交換日記 (単行本)


(ひ)