新人離れした新人の,2作目にして超大作である。川越宗一『熱源』。
樺太。日本とロシアとの間で,その領有が揺れた島である。ただ,そこに住んでいたのは,アイヌをはじめとする人々。自らの意思にかかわりなく,大国の間で翻弄されてしまう。はたして,アイヌは,滅びるべきなのか・・・。
「降りかかる理不尽は『文明』を名乗っていた。」――あらためてこの言葉の持つ意味の重さを思う。
- 作者: 川越宗一
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2019/08/28
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
(ひ)