映画『蜜蜂と遠雷』(監督・石川慶)

原作は既にせんせいが紹介済みなので,映画版の方を。

原作を読んだのは,発売間もない頃だったと思う。分厚い本だったので,まあ4,5日から1週間くらいは持つかな,なんて考えていたら・・・面白くて深夜まで一気読み。おかげで翌日はものすごく眠かった。

風間塵。栄伝亜夜。高島明石。マサル・C・レヴィ=アナトール。4名の若者が国際ピアノコンクールでしのぎを削る。手に汗握る展開,そして,小説なのにもかかわらず,音楽が聞こえてくるかのような臨場感。

その後,この小説は直木賞を取り,本屋大賞を取った。

さて,その映画版である。ようやく時間が取れたので見に行った。

原作のストーリーを,栄伝亜夜を軸にして再構成してある。練られた構図,そしてあえて手ぶれ感を出したカメラワーク。序盤は音楽を極力抑え気味にし,中盤から徐々に盛り上げていき,終盤に壮大なピアノ協奏曲でボルテージを一気に高める。

かなり芸術性の高い,とがった作品に仕上がった。見る人を選ぶ映画なのかもしれないけれど,僕は大満足でした。

蜜蜂と遠雷

蜜蜂と遠雷

(ひ)