原作は既にせんせいが紹介済みなので,映画版の方を。
原作を読んだのは,発売間もない頃だったと思う。分厚い本だったので,まあ4,5日から1週間くらいは持つかな,なんて考えていたら・・・面白くて深夜まで一気読み。おかげで翌日はものすごく眠かった。
風間塵。栄伝亜夜。高島明石。マサル・C・レヴィ=アナトール。4名の若者が国際ピアノコンクールでしのぎを削る。手に汗握る展開,そして,小説なのにもかかわらず,音楽が聞こえてくるかのような臨場感。
さて,その映画版である。ようやく時間が取れたので見に行った。
原作のストーリーを,栄伝亜夜を軸にして再構成してある。練られた構図,そしてあえて手ぶれ感を出したカメラワーク。序盤は音楽を極力抑え気味にし,中盤から徐々に盛り上げていき,終盤に壮大なピアノ協奏曲でボルテージを一気に高める。
かなり芸術性の高い,とがった作品に仕上がった。見る人を選ぶ映画なのかもしれないけれど,僕は大満足でした。
- 作者: 恩田陸
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2016/09/23
- メディア: 単行本
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