貴堂嘉之『シリーズ アメリカ合衆国史2-南北戦争の時代』(岩波新書)

『資本主義と自由』,昔読みましたよ~。
衝撃だったなあ。
これまでに読んだ中で衝撃を受けた本(感銘を受けた本,ではなくて)を10冊挙げろと言われると,確実に入る本ですね。
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さて。

先週に引き続き,岩波新書の「シリーズ アメリカ合衆国史」である。今回は第2巻の『南北戦争の時代』。主として19世紀の米国史を扱う。

19世紀のアメリカといえば,やはり南北戦争(1861年~1865年)である。南軍・北軍双方から合計326万人もの兵士が投入され,うち60万人以上が戦死している。米国の19世紀とは,この南北戦争を中心に,大きな変革期にあった時代であり,筆者はこれを「奴隷国家」から「移民国家」への変革,という視点から描き出している。

他方,先住民にとっては,19世紀とは,その生きる大地を奪われ,強制的に移住させられ,多くの命を落とすことになった時代でもある。このような負の歴史も包含しつつ,アメリカ合衆国はさらに成長を遂げていく。

なお,この時期,日本からは岩倉使節団がこの国を訪れている。時に1871年。日本にとって,近代国家の礎を築き始めた時代である。

南北戦争の時代 19世紀 (岩波新書)

南北戦争の時代 19世紀 (岩波新書)


(ひ)