伊坂幸太郎『AX アックス』(角川書店)

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同世代,というのは結構意識することがある。

同世代で最初に社会で活躍していたのは,子役だったかと思う。10代後半に入ると,アイドルや俳優,女優なんかが出てきた。やがて同世代のスポーツ選手も活躍しだした。

伊坂幸太郎は,同世代の作家。やはり,どこかで意識している部分があるのだろうか。デビューしてから数年間はずいぶん読んだし,今でもしばしば読んだりしている。

「AX アックス」は,伊坂幸太郎の新刊である。

腕の立つ殺し屋。だけど,恐妻家。そんな主人公を軸にした,連作短編集である。
要所要所にちりばめられたウイットに富む文章。読者を飽きさせない展開。相変わらず,うまい。短編集なので少しずつ読み進めていってもよいのだが,やはり,一気に読んでしまう。

一応,「グラスホッパー」や「マリアビートル」に続くシリーズ物なのだが,ストーリー上の直接のつながりはないので(ときどき顔を出す程度),これらの前作を知らなくてもちゃんと楽しめる。このあたりの配慮も,うまい。

伊坂幸太郎を読んだことのない人にも,おすすめの一冊である。

AX アックス

AX アックス

(ひ)